「誰も教えてくれなかった!!」難病・希少疾患と診断されたらやること3つ

はじめに


代表の日原が以前携わっていた仕事(難病や希少疾患向けに薬を開発・販売する製薬会社向けのコンサルティング)と今の仕事両方で難病と関わることも多く、その方々が抱えている悩みは単に「治らない」ということだけではなく思うので(治れば解決する問題も多いのですが動かない事実の場合)治らなくとも理解・納得をし最適な選択をとるということができるようになることに役立つと思い書くこととしました。

難病や希少疾患という難しい問題にどう論理的に対処することがよいのか?ということの一案を書いていきたいと思います。

 

難病の方の中には「難病でもないのにわかるはずがない!!」とお怒りになられる方も多くいらっしゃるかと思いますが、ここから書いていくのは共感・同調などといったものを求めるものではなく、問題解決手段・思考プロセスの動かし方です。

文句を言ってかみついたりすると一時的に心理的に楽になる効果が一部の方にはありますが、何か症状が好転することは絶対になく、むしろ人を攻撃することで後悔の念から自らより精神的なダメージを受けることも往々にしてありますし、何よりも貴重な時間をただ浪費するだけです。

自分よりも時間がある人に対してかみつき時間を浪費することは、時間が限られた人程自らが不利な状態に追い込まれる非合理的な手段なので、合理的に自分にとって100%よいことのみしていただけたらと思います。

 

あくまで、今から書くことであなたの目の前に「プラスのドライバー」のようなツールを置こうとしているだけです。

 

「マイナスのねじ穴には使えないじゃないか」「プラスのドライバーでネジ穴をなめてしまった回せなくなったじゃないか」と製品そのものの特性に文句をつけること、うまく使えないことで人を責めることは建設的ではありませんのでうまく「ツール」として下記をポケットに入れておいていただけたらと思います。

ツールをもっておくことは使う・使わないは別として、あなたの悩みを一つ前に進める手段(ツール)として有用と思います。

 

やること1 現在地を理解する


まず第一に知っておいていただきたいことは「人間は予測できない未来・事柄に必要以上に恐怖を抱く」という特性があることです。

今の例の新型コロナが始まった時と同様です。

恐怖する人がいるのは「新型コロナの全容」が解明されていないからです。「どのように感染して、感染経路がもし目に見えて、どのように悪くなり、どのようによくなるか」ということが全て明確に分かっていたら人は恐怖を感じません。

「いつかかるかわからない」「重症化するかもわからない」その不確定な要素がある状態が恐怖なのです。(DVで自宅から逃げられない方も心理学的には同じ理由です)

 

上記のような「わからない恐怖」と戦うために「今現在医学的にわかっていること」と進行性の場合「どのように変化をしていくのか」というマイルストーンを知りましょう。

これに関しては「知るのが怖い」ということを多くの方が思うことですが「遅かれ早かれしる内容である場合が多い」ということと、「知らない恐怖よりも想定できる範囲内の恐怖」の方が人間は精神的に壊れることなく、立ち向かえる強さがあります。

そのため勇気を出して全容把握に努めましょう。

 

現在地把握のための手段6例

 

上記の情報は信頼が高いものである可能性が最も高く、より効率的に情報収集ができます。一番最初にブログにあたるようなことをせず、まずは医学的な情報に関して、体系的にバランスよく取り入れた後に、SNSやブログなどより個別具体的な情報を取りましょう。(個別具体的な情報から病態把握を進めることは車輪の再開発と同じです。すでに明らかになっている情報は一番最初に正しく取り入れましょう)

 

上記の情報から、今自分はおそらく、身体のどの部分の不具合でどのような症状でそれが進行するのかしないのか、するとしたらどのくらいのペースでするものなのか。

客観的に理解するようにしましょう。

 

これらの情報が適切にとれると、今の自分の位置がなんとなく浮かびあがってくるのでその上で「何をすべきか」ということに関してより的確な意思決定ができるようになります。

また、「これから全く何が起こってくるのかわからない」という状態ではなくなるので、わからない部分はあるにせよ「予測できる範囲内での恐怖」となるのでより強さをもって事実と向き合って前進することができます。

 

やること2 治療の選択をバランス感をもって判断・選択


治療法は自分で選ぶ

やること1に書いた現在地が病態がわかることで、今現在アクセスできる薬、その薬の作用機序、そして必要となるかもしれない手術、そのメリット・デメリットなどを的確にとらえることができます。

 

前提として知っていただきたいのは「難病」というのは現在の西洋医学において完治が難しい、適切な治療法が今現在ないものなどが難病とされていて大きな指標ではあるものの、幅広い医学という中においてごく一部の指標においての「難病」であるということです。

全く異なる作用機序の全く違うものをもってきた場合、その病気は難病ではないかもしれません。

西洋医学は現在の医療のスタンダードとなっているとはいえ、その大元は経済的な活動・営利的なことを目的としてそれを最大化することで開発された医学であり、完治するよりは定期的に通い続けてもらう方が経済的なメリットが大きく、完治を簡単にさせてしまう場合はその経済的な損失が担保できていない限り、大きな製薬会社や医療機関はその治療法を採用することには経済的なインセンティブが働かないというバイアス処理をしていただけたらと思います。

なお、多くに代替療法に関してもそれを販売・提供することで儲かる営利目的の企業のメッセージですべてを鵜呑みにすることなく必ず、すべての情報はステイクホルダーが存在し、発信するという時間的なコストをかけている理由はその発信者(もしくは発信者に依頼する依頼元が存在)の得になるものとして提供されている可能性があるという前提を承知の上情報入手していただけたらと思います。(もちろん、今読んでいただいているこの情報も100%鵜呑みにしてはいけません。)

 

 

標準治療 VS 代替療法

 

よくある極論で論争に決着がついていないのように思えるのが

「標準治療以外の選択肢はすべて胡散臭い」

「標準治療こそ悪」

という二極化です。

 

これらの問題は「病気の現在地」を「病態」を理解し、それぞれの医学的な介入に関して的確に理解をしている場合にはこういった情報に振り回されなくてすみます。

 

それぞれの両方に関して医学的なエビデンスという土俵においては「標準治療」が圧勝です。

標準治療は医学的なエビデンスが蓄積し、有意に医学的な介入に効果があるもの、と何年にもわたり、多くの人で実験(治験)を行ったのちでないと提供できない、いわゆる「厚生労働省」が「国」がお墨付きとした治療法です。

 

一方で多くの代替療法はエビデンス的にはほとんどが、「マウスで有効性が確認」「数人に適応したところ効果があった」というものです。すべての新しい技術はこの状態から、より研究を深めて、多くの研究が積み重なり、初めて標準治療として取り入れられる、ないし現在の保険制度上取り入れることが困難なものも存在します。

そのため代替療法は玉石混交

本当にいいものとそうでないもの、うさんくさいものがたくさん存在します。(個人的にはうさんくさいものの方が多いと思います)

 

例えば「数人のがんが治った」という訴求をする新しい治療法があった場合、それは「標準治療」と併用していた方でガンが治ったとしているものもあったりします。

つまり、単純に代替療法のみでなく、様々な医療的な介入を複合的に行った際にたまたまよくなる人が出て、その事例を無理やりピックアップしていることすらあります。

同様の切り口で、たまたまその患者が麦茶を飲んでいたとすると「一日3回毎食後に麦茶を飲むことでガンが消えた!!」などというみんながあり得ないと思うことすら訴求してしまっているような企業も存在するのです。(最近は厳しくなってきましたが「医師推奨」などは怪しかったりします。医師のステータスが学会の長だったりすると少し違いますが、怪しいものの多くはただの町医者、〇〇クリニック院長です)

 

必要なことは、標準治療においても代替療法においても、個別具体的に「どの成分が持つどのような作用がどの臓器にどのように作用したことで効果があったのか?」ということを理解するということです。

 

標準治療という選択の正しい捉え方

例えば標準治療でしっかりとした医学的なエビデンスがある治療を選択した場合、

  • そもそも薬が症状の根本的な治癒に貢献しているのか?
  • 起きている症状を薬が効いている間だけ抑えているのか?

という軸から考え、具体的な薬の有効成分が体内でどのように作用しているのかという「薬理作用」それの「効果が出るまでの期間」「副作用」などは調べると薬に関してはすべて情報として効果されているのでアクセスが可能です。(薬事承認を得るための治験情報とその結果は公開されています)

薬も「3日飲んだけど効果がなかったというから薬はダメだ」という方はそもそもある特定の薬は「一定の薬理効果を得るためには薬の血中濃度が安定するまで2週間かかり2週間たったときの効果を薬として初めて医学的に効果があるとされている」などということもわかったりします。

またそれにより、薬を飲み続けることで本当によくなるか、症状をごまかしている間に自然治癒力で治すことを期待している薬なのかということが判断できます。

 

標準治療を続けた場合に得られる最終的な成果やそのマイルストーンは治っていくというプロセス上、ないしよくするために効率的な時間稼ぎとして作用するのか、それが経済的な時間的な作用としてどの程度効果的なのか、ということを的確に判断して適切に取り入れていただけたらと思います。

 

医師もあまりちゃんと説明をしていただけない場合もありますが、もしウェブ上を調べてもわからない場合はこの薬はこの治療的な選択は適切なのか、適切だとしたらなぜ、どのように作用するから適切なのか、説明を求めてください。

難病や希少疾患の場合そもそも医師が一人で見ることのできる数、N数というのが限定的です。

そのため専門の医師であろうとも万能でなくミスや誤った判断も多くなされます。

適切な質問により医師の頭を適切に働かせることができると、外部の強力な知恵(ブレーン)として活用ができます。

 

代替療法の選択の仕方

代替療法に関しても、「代替療法は全部怪しい」ではなく「キノコ=怪しい」という判断は結果として、そのキノコが全く効果がなかったとしても判断としては適切ではありません。

訴求内容が例えば「10人に摂取してもらって10人の症状が改善」というのは「5000人にトライをしてもらって、効果があった10人のみを切り出しているのか」などメーカーなどにしっかりと問い合わせましょう。

他にも治療としてプロセスに乗せた場合にはどのようなタイムラインでどう変化していくのか、治癒プロセスに乗っている乗っていないの判断のポイントなどしっかりと把握しましょう。

また例えばキノコの健康食品が選択するものだったとして、それに何が個別具体的にどう作用するのか、ということもわかるまで質問をしましょう。

「摂ればよくなった人がいますよ」「よくなるかは続けて購入してもらわない限りわかりません」というものに関しては選択肢としては適切でないのでやめましょう。

 

食品だったりするとよくあるのが「食品の成分としての抗酸化作用」です。

 

よくあるものとして抗酸化作用を訴求しながら個別具体的にその抗酸化能を比較をしていないデータなどもよくあります。

ビタミンCと比較して、ないしその他抗酸化物質と比較して抗酸化作用がどの程度あるのか。

そしてその抗酸化作用は食品の場合、胃で消化をされて、小腸で吸収されて、肝臓で処理された形でも、本当に血中に溶存して対象となる臓器まで届き、細胞内で起きている細胞ストレスをないしその臓器周囲の炎症に対して行き届く形で抗酸化作用が働いているのか、なども確認する必要があります。

実際には胃で消化された時点で分解されたものが、肝臓で処理されると他の食物と大して変わらず。体内では期待しているような抗酸化物質として機能しなことなどはよくあります。

 

細胞療法、幹細胞移植なども注意が必要です。

実際に遺伝子のエラーがあるから細胞自体を移植することで治癒が促進するというものなどが多くありますが、これらも本当に効果のあるものもあったりしますが、「効果がある=完治」ではない場合と、分化能のある細胞を体内に入れると症状がよくなるが将来ガン化するリスクも多かったりします。

定着するかどうかも問題ですが、該当症状だけ改善してもそれによりもたらされるガン化リスクに関しては明言していないものが多くあります。

 

もしガン化リスクが少ないとしたらそれは何をもって、どのような根拠によりガン化リスクが少ないのかをしっかりと見極めてください。

多くの場合はガン化リスクが少ないとは数例のみを元に訴求していることもあり、実際のところわからないものも多かったりします。

その場合に判断しなければならない要素としては例えば

  • 治療費
  • 治療期間
  • 副作用(ガン化)
  • 得られるかもしれない治療効果
  • その治療効果を得る確率

これらを総合で判断して、「高いか確率で治癒するがガン化リスクがある。予算は問題なし」となった場合は今の症状とそれによりなってしまうかもしれないガンの症状、その後の余命・過ごし方、QOLなどを総合的に判断することが大事です。

基本的にゼロリスクはなく、すべて何かしらのリスクが存在しています。

それらのリスクはかり、得られる治療効果などを鑑みて最適な治療選択をしていただけたらと思います。

 

やること3 情報やシチュエーションを常にアップデート


医療技術などは日々進歩をしています。半年前に全力で調べた結果、絶望して終わるのではなく、2週間たったら何かしらの新しい治療法やよくなった治療事例などにアクセスができるかもしれません。

行うべきは「多くの変化する状況の中で最善と思われる選択をする」ということです。最高の選択は過去を振り返らない限り、その時点より前において「最高」という定義しかできません。

 

技術レベル上、当時最善と思われたことは病状が変わることでも最善とならないケースもあります。

 

病気の状態、そして金銭的、時間的、地理的に限定された環境の中で何ができるのか、金銭的な問題だけが問題であれば「クラウドファンディングができないか」「ローンはひけないか」「知人友人からお金を借りれないか」「手元にあるものを現金化できないか」など問題が限定されることで様々な解決策が浮かびます。

時間的なことが問題あれば、それは日本において治療するという観点での時間的な問題なら海外で医療をうける選択はできるかという検討

地理的なことが問題なら自らが行く以外にも来てもらうことができないか、など問題は分解切り分けることでその中での最善と思われる「解」にたどり着くことができます。

 

よりよい選択をするために重要なのは情報です。

常に新しい情報を入手していきましょう。

 

新しい情報の入手方法として

  • 患者コミュニティ・他の患者からの情報(患者会、SNS、ブログ等)
  • Google Alertの設定

上記をおすすめします。

 

患者コミュニティなどの情報はやること1で書いた内容とかさなります。上記の1にあるようなところで、より病気を理解をした状態でバランスを保って適切に理解をしてください。

もう一つのGoogle Alertとは https://www.google.co.jp/alerts にアクセスしていただき、例えば「パーキンソン病」と設定をすると下記のように、最新の関連単語のニュースなどを拾ってきてメールで毎日(情報が毎日あれば)配信してくれます。

無料で今すぐ使えるサービスなので活用いただくとよいかと思います。

 

なお、関連するワードがあればその情報を拾ってくるので必ずしも相関が大きくないものに関しても拾ってきます。

 

パーキンソン病_Alerts

 

最後に


論理的なことばかりを言っておきながら、医学の現場にいる医師と話をしても上がってくるのが「医師であればみんな一度は現在の医療の枠では考えられないような奇跡。人間の未知の力を目の当たりにすることは往々にしてある」ということです。

医学的に「意思の力で治癒する」ということは言えないのですが、常に正しく戦い続ける人の中には、現代の医療の枠では起こり得ないような奇跡的なことというのは起こり得ます。

 

その奇跡の要因をそれこそ論理的に分解をして、科学して、再現性のある形として人に提供することができたらたと思っています。

 

 

奇跡は祈っているだけでは起こりません

 

行動を起こしている、起こし続けている人のみに起こります

 

その起こす行動の中でも正しい行動をとるための一つのツールとしてここに書いた情報を役立てていただけたら幸いです。