ALSの呼吸・嚥下の見逃しサイン|受診・相談の目安と家庭チェック表

ALSでは、呼吸や嚥下(飲み込み)の変化が「気づきにくい形」で先に出ることがあります。 このページは、医療の判断を代替するものではなく、見逃しやすいサインを家庭で早めに拾い、主治医に相談するための整理です。

医学的判断(検査・治療方針・緊急性の判断)は主治医の判断を最優先してください。本ページは情報整理です。

このページの目的(誤解しないために)

  • 「危ないかどうか」を自己判断するためではなく、相談のタイミングを逃さないためのチェックを作る
  • 呼吸・嚥下は、症状が軽い段階でも支援(評価・介入)で生活が楽になることがある
  • 民間サービスの前に、まず安全(呼吸・嚥下・転倒)を優先する

呼吸の変化:見逃しやすいサイン

呼吸筋の弱さは、最初から「息が苦しい」とは限りません。 早期には夜間低換気(寝ている間の呼吸が浅い状態)として現れ、日中の症状として出ることがあります。 呼吸評価とNIV(非侵襲的換気)は標準的ケアとして推奨され、開始基準に「症状(例:起坐呼吸)」が含まれます。

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7683000/
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6589990/

1)夜〜朝に出やすい(早期に見逃しやすい)

  • 朝の頭痛、起床時のだるさ
  • 夜間の中途覚醒が増える/眠りが浅い
  • 日中の眠気が増える、集中が続かない
  • 悪夢のような睡眠の質の低下(本人の自覚は「疲れ」だけのことも)

2)姿勢で悪化する(起坐呼吸・横になると苦しい)

  • 横になると息苦しい/枕を増やさないと眠れない(起坐呼吸)
  • 寝る姿勢を避けたくなる

3)日中に出やすい

  • 軽い動作で息切れが強い
  • 会話が長く続かない(息継ぎが増える)
  • 咳が弱い(痰が出しづらい)

呼吸症状の評価は、FVC等の検査だけに依存せず、症状も含めて総合的に判断されます。 FVCが高めでも夜間低換気が先に出ることがある点は、専門団体でも注意喚起されています。
https://www.mndassociation.org/professionals/management-of-mnd/respiratory-symptoms-mnd

嚥下(飲み込み)の変化:見逃しやすいサイン

嚥下の問題は、むせだけでなく「食事の時間が伸びる」「疲れて食べ切れない」などの形で出ることがあります。 ALS協会の資料でも、嚥下の変化は栄養・水分・誤嚥リスクに直結するため、早めの相談を推奨しています。 https://www.als.org/sites/default/files/2020-04/lwals_08_2017.pdf

1)食事中・直後のサイン

  • むせる、咳き込む(特に水分)
  • 食後に声が濡れた感じになる(ガラガラ/湿った声)
  • 口の中に食べ物が残る、飲み込みに時間がかかる
  • 食事中に疲れて食べられなくなる

2)生活で気づくサイン

  • 食事にかかる時間が以前より長い
  • 体重が落ちた/水分が取りにくい
  • 食べやすい形態へ自然に偏っていく(柔らかい物だけになる)
  • 痰が増える/痰が絡む感じが増える

嚥下障害は栄養不良・脱水・誤嚥性肺炎などのリスクと関連し得るため、評価と対策が重要です。 https://journals.lww.com/jcnmd/fulltext/2020/03000/evaluation_and_management_of_dysphagia_in.2.aspx

家庭チェック表(コピペ用)

呼吸(週1でOK)

  • 朝の頭痛:あり/なし(頻度:__回/週)
  • 日中の眠気:増えた/変わらない/減った
  • 横になると苦しい:あり/なし(枕の数:__)
  • 会話で息継ぎが増えた:あり/なし
  • 咳が弱い・痰が出ない:あり/なし

嚥下(週1でOK)

  • むせ(特に水分):増えた/変わらない/減った
  • 食後に声が湿る:あり/なし
  • 食事時間:__分(以前より+__分)
  • 体重:__kg(前回比:__)
  • 食形態:普通/刻み/とろみ/その他(__)

赤信号(早めに相談したい)

  • 横になると息苦しい、夜眠れない
  • 朝の頭痛や日中の強い眠気が増えてきた
  • むせが増えた/食後に湿った声が続く
  • 体重が落ちた、水分が取りにくい
  • 痰が増える/咳が弱くて出せない

主治医に伝えるテンプレ(短くて十分)

  • 困っていること:(呼吸/嚥下)____
  • いつから:____
  • 具体:(例:枕が2→4、むせが週1→毎日、食事時間が20→40分)
  • 心配:(夜眠れない、体重減少、痰が出せない 等)

NIVの開始基準は「起坐呼吸などの症状」や呼吸機能検査(FVC、SNIP/MIP等)を含めて検討されます。 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7683000/
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6589990/

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免責事項

  • 本ページは情報整理であり、診断・治療の代替ではありません。
  • 緊急性の判断や治療方針は主治医の診断を最優先してください。
  • 本ページは特定の治療効果を保証するものではありません。

参考