パーキンソン病のすくみ足はなぜ起きる?動作を止めない工夫

パーキンソン病情報 すくみ足 歩行の工夫 外部キュー

パーキンソン病のすくみ足はなぜ起きる?動作を止めない工夫

パーキンソン病のすくみ足は、「歩きたいのに足が出ない」「床に張り付いたようになる」「出だしだけ止まる」「方向転換で固まる」と表現されることが多い症状です。 とくに歩き始め、方向転換、ドア前、狭い場所、人混み、急ぐ場面、会話しながら歩く場面で起こりやすく、転倒への不安にもつながります。

すくみ足は、本人の気合い不足ではありません。 歩行のリズム、自動運動の切り替え、姿勢準備、注意配分、環境条件、薬の効き方が重なることで、最初の一歩や方向転換が出にくくなる状態として考えると整理しやすくなります。

本ページは一般的な情報整理です。すくみ足の出方は患者さんによって異なり、薬のオン/オフ、疲労、不安、姿勢、視線、照明、床、周囲の声かけによって変わります。転倒リスクがある場合は、主治医や理学療法士と一緒に安全な対策を確認してください。

結論

  • パーキンソン病のすくみ足は、歩き始め、方向転換、狭い場所、ドア前、人混み、急ぐ場面、二重課題で起こりやすい症状です。
  • 本人の努力不足ではなく、歩行のリズム、自動運動の切り替え、姿勢準備、注意配分、薬の効き方、環境条件が重なることで起こります。
  • すくんだ時は、前へ押し切るより、いったん止まり、姿勢を整え、リズム・目印・体重移動など別のきっかけを入れる方が動き出しやすいことがあります。
  • 外部キューには、床の線、タイルの境目、メトロノーム、声かけ、レーザーライン、触覚刺激などがあります。合うものは人によって違います。
  • 薬の切れ目に強いのか、オンでも出るのか、疲労や不安で増えるのかを記録すると、主治医や理学療法士に相談しやすくなります。
  • 転倒がある、夜間トイレで止まる、外出時に固まる、家族が支えないと危ない場合は、環境調整と福祉用具も含めて早めに相談してください。

このページで整理すること

このページは、パーキンソン病の「すくみ足」に対して、なぜ起こるのか、どの場面で起こりやすいのか、止まった時にどう立て直すかを整理するページです。 転倒予防の総合ページ、ウェアリング・オフ、ヤール分類、リハビリ・補助的ケアのページとは役割を分けています。

ページ・テーマ 主に見ること このページとの違い
すくみ足 歩き始め、方向転換、ドア前、狭い場所、外部キュー、動き出しの工夫。 このページです。足が止まる場面と、その場で使う工夫に絞ります。
姿勢反射障害と転倒予防 後方転倒、夜間トイレ、住宅環境、手すり、福祉用具、転倒後の確認。 転倒リスク全体を見直すページです。
ウェアリング・オフ 薬が切れる時間帯、オン/オフ、ジスキネジア、服薬記録。 すくみ足が薬の切れ目と関係するかを見る時に使います。
ヤール分類と生活支援 進行度、姿勢反射障害、介護保険、支援の目安。 生活支援の段階を整理するページです。
鍼灸・マッサージを検討するとき こわばり、痛み、睡眠、疲労、歩行、薬との関係。 補助的ケアを考える時に、目的と安全性を整理します。

このページでは、「転ばない家にする」よりも前に、「どの一歩で止まるか」「どんなきっかけなら再開しやすいか」を見ます。足が止まる条件を分けることで、対策が選びやすくなります。

すくみ足とは何か

すくみ足は、歩こうとしているのに足が前に出にくくなり、短時間その場で止まってしまう現象です。 「足が床に張り付く」「最初の一歩が出ない」「小刻みに足踏みするが前に進めない」「方向転換で固まる」と表現されることがあります。

すくみ足は、歩行中ずっと起こるとは限りません。 まっすぐ歩けるのに、ドア前やトイレ前だけ止まる人もいます。 広い場所では歩けるのに、狭い通路や人混みで止まる人もいます。 そのため、診察室で再現しないこともあります。

見え方 本人の感覚 注意したいこと
歩き始めで止まる 足を出したいのに、最初の一歩が出ない。 焦って前へ倒れ込まないよう、いったん姿勢を整える。
方向転換で固まる 体は回りたいのに、足が細かく動くだけで進まない。 一気に回らず、小さく分けて向きを変える。
ドア前・狭い場所で止まる 通ろうとした瞬間に足が止まる。 足元の目印、声かけ、動線の確保が役立つことがある。
小刻みな足踏みになる 足は動いているが、前に進まない。 歩幅を広げるより、まず止まってリズムを入れ直す。
急ぐと強くなる 電話、来客、トイレ、横断歩道などで固まりやすい。 急ぐほど止まりやすいことを、家族も理解する。

すくみ足は「歩けない状態がずっと続く」より、「特定の場面だけ足が出ない」という形で気づかれることが多い症状です。

なぜ起きると考えられているか

すくみ足の理由は一つではありません。 パーキンソン病では、無意識に続く歩行リズム、自動的な姿勢準備、足を出す前の重心移動、注意の配分、動作の切り替えがうまくつながりにくくなることがあります。

たとえば歩き始めでは、足を前に出す前に、体重を反対側へ移し、姿勢を整える準備が必要です。 この準備が小さい、遅い、途切れると、足を出したいのに一歩が始まりにくくなります。 方向転換では、体幹、骨盤、足の向き、視線の切り替えが必要になるため、さらに止まりやすくなります。

関わると考えられる要素

歩幅の小ささ、歩行リズムの乱れ、姿勢準備の不十分さ、重心移動の小ささ、注意の分散、動作の切り替えにくさ。

悪化しやすい背景

急ぎ、不安、疲労、狭い通路、人混み、方向転換、会話しながら歩く、荷物を持つ、薬の切れ目。

「足が悪い」だけでは説明しきれない

見方 説明
足の筋力だけの問題ではない 筋力が残っていても、歩行開始や方向転換で足が止まることがあります。
注意の使い方が関係する 歩きながら話す、物を探す、荷物を持つなどで止まりやすくなることがあります。
環境が引き金になる ドア、狭い通路、床の変化、人混み、横断歩道などがきっかけになることがあります。
薬の効き方が関係する 薬の切れ目で強くなる人もいれば、オンでも残る人もいます。

すくみ足は「気合いで足を出す」ものではありません。無理に前へ行こうとすると、上半身だけ進んで転倒につながることがあります。

起こりやすい場面

すくみ足には、比較的よくみられる引き金があります。 どの場面で起こるかを把握すると、薬の相談、理学療法、自宅環境の見直しがしやすくなります。

場面 止まりやすい理由 見るポイント
歩き始め 最初の一歩の姿勢準備と重心移動が必要です。 立った直後か、薬の切れ目か、焦りがあるか。
方向転換 体幹、骨盤、足、視線を同時に切り替える必要があります。 一気に回っていないか、狭い場所で回っていないか。
ドア前・廊下 目標が近づき、通過する直前に足が止まりやすくなります。 床の目印、照明、通路幅、障害物。
トイレ前 急ぎ、方向転換、衣服操作、夜間の眠気が重なります。 夜間照明、手すり、動線、薬の時間。
横断歩道 信号、人の流れ、焦り、車への注意で歩行が乱れます。 余裕のある横断、同行、ルート変更。
人混み 人を避ける、止まる、再開するを繰り返すため負荷が増えます。 時間帯、混雑を避ける、同行の有無。
会話しながら歩く 歩行への注意が減り、二重課題になります。 歩く時は会話を止める、止まって話す。
荷物を持つ 重心が変わり、手がふさがり、転倒時に支えにくくなります。 リュック、台車、荷物量、家族の補助。

「どこでも止まる」と感じる場合でも、記録すると多くは場面に偏りがあります。歩き始め、方向転換、狭い場所、急ぎ、薬の時間を分けて見てください。

その場で動き出すための手順

すくみ足が出た時は、前へ押し切るより、いったん動作を止めて安全な姿勢を作ることが大切です。 特に転倒しそうな時は、足を出すことより、まず倒れない状態に戻します。

すくんだ時の5段階

  1. 止まる:無理に前へ行かず、両足を床につけて一度止まる。
  2. 姿勢を戻す:前のめりになっていたら、体を起こし、視線を少し先へ向ける。
  3. 力を抜く:肩、手、あご、足に入った力を抜く。
  4. きっかけを入れる:「1、2」と声を出す、床の線をまたぐ、左右へ軽く体重移動する。
  5. 一歩だけ出す:目的地まで行こうとせず、最初の一歩だけを出す。
すぐできる工夫 やり方 注意点
声でリズムを入れる 「1、2、1、2」「右、左」と声に出す。 焦った声ではなく、一定のリズムにする。
目印をまたぐ 床の線、タイルの境目、杖の先、家族の足元を目標にする。 足元を見すぎて前傾しない。
左右へ体重移動する その場で小さく左右へ揺れて、出す足を決める。 大きく揺らすと転倒リスクがある。
一歩目を大きめに意識する 「またぐ」「線を越える」と考えて一歩だけ出す。 大股を無理に続ける必要はない。
向きを変えてから進む 足踏みしながら小さく方向転換し、前向きになってから歩く。 上半身だけひねらない。

すくんだ本人を後ろから押す、腕を急に引っ張る、焦らせる声かけをすることは避けてください。転倒につながることがあります。

場面別の工夫

すくみ足への工夫は、場面ごとに変える方がうまくいきやすくなります。 すべてを一度に試すのではなく、最も困っている場面を一つ選び、そこから整えてください。

場面 工夫 避けたいこと
歩き始め 立った後すぐ歩かず、一度止まる。左右に体重移動し、声のリズムを入れて一歩出す。 立った勢いで前へ倒れ込む。
方向転換 小さく足踏みしながら回る。上半身だけ先にひねらず、足と体を一緒に向ける。 狭い場所で急に180度回る。
ドア前 ドアの少し手前で一度止まり、通過後の床を目標にする。 ドア枠を見続けて足元が固まる。
狭い通路 通路を片付け、幅を確保する。正面を向いて進めるよう家具配置を変える。 横向きや後ろ向きで無理に通る。
トイレ 夜間照明、手すり、動線整理を行う。急ぐ前提の配置を変える。 暗いまま急いで歩く。
外出 混雑時間を避ける。横断歩道は余裕のある場所を選ぶ。同行者と合図を決める。 信号に合わせて急ぐ、人混みで無理に進む。
会話中 歩く時は会話を止める。話す時は一度立ち止まる。 話しながら方向転換する。

すくみ足が出た時は、「前へ行く」より「止まる・整える・きっかけを入れる・一歩だけ出す」と分ける方が安全です。

視覚・聴覚・触覚キューの使い方

すくみ足では、外からの合図を使うと一歩が出やすくなることがあります。 これを外部キューと呼びます。 床の線、声、メトロノーム、音楽、レーザーライン、振動などが使われます。

キューの種類 向きやすい場面 注意点
視覚キュー 床の線、タイルの境目、テープ、レーザーライン。 ドア前、歩き始め、狭い場所。 足元を見すぎて前のめりにならない。
聴覚キュー 声かけ、メトロノーム、音楽、拍手。 歩行リズムが乱れる時、歩き始め。 速すぎるリズムは焦りにつながる。
触覚キュー 軽いタップ、振動、身体へのリズム刺激。 音や目印が使いにくい場面。 驚かせる刺激や急な接触は避ける。
自己キュー 心の中で数える、歌う、左右に体重移動する。 外出先、人前、道具がない時。 焦った時ほど、いったん止まってから使う。

合うキューは人によって違う

視覚キューが合う人もいれば、音のリズムが合う人もいます。 逆に、音が気になって歩きにくい人、床の線を見ると姿勢が前に倒れやすい人もいます。 そのため、理学療法士と安全な環境で試し、本人に合う方法を選ぶことが大切です。

外部キューは「一度使えたらずっと同じように効く」とは限りません。疲労、薬の時間、場所、気分、認知負荷によって変わるため、複数の選択肢を持つと安心です。

視覚・聴覚キューを活用した支援デバイス

すくみ足に対する外部キューを、日常生活で使いやすくするための支援デバイスもあります。 ただし、機器は万能ではありません。 購入前に、本人のすくみ足の出方、転倒リスク、視力、聴力、認知機能、屋内外の使用場面、装着しやすさを確認してください。

靴装着型デバイス:Path Finder

靴に取り付け、床にレーザーラインを投影する海外製の歩行補助機器です。 目の前に「またぐ線」を作ることで、最初の一歩やすくみ足の切り替えを助ける設計です。

Path Finder 公式ページを見る
腰装着型デバイス:Qピット

日本国内で掲載されている身体装着型の移動支援機器です。 腰に装着し、LED光による床へのライン表示で視覚CUEを与え、電子メトロノームで聴覚CUEを与える仕組みです。 手に持たずに使える点が特徴です。

Qピット 製品詳細を見る

導入前に確認したいこと
支援デバイスは、本人に合う場合もありますが、すべての人に同じ効果が出るものではありません。 可能であれば、理学療法士や福祉用具専門相談員と、実際の歩行場面で安全に試してください。 自治体によっては、障害福祉や日常生活用具などの制度相談ができる場合があります。対象になるかは、市区町村の障害福祉担当窓口、ケアマネジャー、福祉用具事業者に確認してください。

デバイスを使うことで「転倒しなくなる」と考えないでください。すくみ足が出た時の止まり方、方向転換、夜間トイレ、屋外の段差、薬の時間も一緒に見直す必要があります。

自宅で見直したい環境

すくみ足は、環境に影響されやすい症状です。 自宅では、歩き始め、方向転換、トイレ前、玄関、台所、寝室から廊下への動線を優先して確認します。

場所 すくみやすい理由 見直しの方向
寝室 起き上がり直後、薬の切れ目、夜間の眠気が重なります。 ベッド横の照明、手すり、歩行補助具の置き場を決める。
廊下 狭い、暗い、物が置いてあると止まりやすくなります。 通路幅を確保し、コード、マット、荷物を減らす。
トイレ前 急ぎ、方向転換、衣服操作、狭さが重なります。 手すり、照明、ドアの開閉、ポータブルトイレを検討する。
台所 振り向き、後退、物を持つ動作が多い場所です。 後退を減らし、よく使う物を正面で取れる配置にする。
玄関 段差、靴の脱ぎ履き、荷物、外出時の焦りがあります。 椅子、手すり、靴べら、荷物置き場、明るさを整える。
浴室・脱衣所 濡れた床、方向転換、立ち座り、血圧変動が重なります。 滑り止め、浴室椅子、手すり、見守りを検討する。

床の目印を使う場合

自宅では、床のテープやマットの境目を目印にすると歩き出しやすい場合があります。 ただし、テープやマットがつまずきの原因になることもあるため、段差を作らない、剥がれにくいものを使う、夜でも見えるようにすることが大切です。

すくみ足がある人では、狭い通路や方向転換が多い家具配置は転倒につながりやすくなります。自宅調整は、理学療法士、作業療法士、ケアマネジャーに写真や動画を見せて相談すると具体化しやすくなります。

薬やリハビリの位置づけ

すくみ足は、薬のオン/オフの影響を受けることがあります。 薬の切れ目で強くなる人もいれば、薬が効いている時間帯でも残る人もいます。 そのため、薬の時間とすくみ足の時間を分けて記録することが重要です。

見ること 確認したい内容 相談先
薬の切れ目 次の服薬前に歩き始めや方向転換が止まりやすいか。 主治医
オン時のすくみ 薬が効いている時間帯でも、ドア前や人混みで止まるか。 主治医・理学療法士
ジスキネジア 体が勝手に動く時間帯に、バランスが崩れていないか。 主治医
起立性低血圧 立ち上がり直後にふらつき、すくみ、転倒があるか。 主治医
理学療法 歩き始め、方向転換、外部キュー、歩幅、体重移動を練習する。 理学療法士
作業療法 トイレ、台所、入浴、外出、家事動作で止まる場面を整理する。 作業療法士
薬の相談で伝えたいこと

何時に薬を飲み、何時にすくむか。薬が切れる前か、効いている時か。転倒やジスキネジアがあるか。

リハビリで伝えたいこと

どこで止まるか。歩き始めか、方向転換か、トイレか、外出か。どんな声かけや目印で動き出せるか。

薬を自己判断で増減しないでください。すくみ足が増えた場合は、薬の時間、転倒、低血圧、眠気、幻覚、ジスキネジアも含めて主治医に相談します。

転倒予防として見るポイント

すくみ足がある時に怖いのは、足が止まっているのに上半身だけ前へ進んでしまうことです。 これにより、前方転倒、壁や家具への衝突、トイレや浴室での転倒が起こりやすくなります。

危険な場面 起こりやすいこと 対策
前へ進もうとして固まる 上半身だけ進み、前へ倒れる。 いったん止まり、姿勢を起こしてから一歩出す。
方向転換で足が止まる 体だけひねってバランスを崩す。 小さく足踏みして向きを変える。
夜間トイレ 暗さ、急ぎ、薬の切れ目、眠気が重なる。 足元灯、手すり、ポータブルトイレ、動線整理。
屋外の横断歩道 信号への焦りで固まる、止まれない。 余裕のある横断、同行、ルート変更。
荷物を持つ 手がふさがり、転倒時に支えにくい。 リュック、台車、家族の補助、荷物を減らす。

すくみ足の対策は、転倒予防と一緒に考えます。足が出るかだけでなく、止まった時に安全に立て直せるかを見てください。

家族・介助者の声かけ

すくみ足が出た時、家族が焦って声をかけると、本人も焦り、さらに動きにくくなることがあります。 声かけは、注意や叱責ではなく、次の動作が分かる短い言葉にします。

避けたい声かけ 置き換えたい声かけ
早く歩いて いったん止まろう。姿勢を戻して、1歩だけ出そう。
なんで止まるの ここで足が止まりやすいね。線をまたいでみよう。
危ない、危ない 右手を手すりに置いて、ここで止まろう。
足を上げて 床の線をまたぐように、右足から出そう。
後ろに下がって 横に一歩ずれて、向きを変えて前に進もう。

家族の声かけは、「急がせる言葉」ではなく、「止まる場所」「手を置く場所」「出す足」「リズム」を伝える言葉にすると使いやすくなります。

記録メモ

すくみ足は、診察室では再現しないことがあります。 家庭や外出先で、どの時間帯、どの場所、どの動作で止まるかを短く記録しておくと、薬やリハビリ、環境調整の相談がしやすくなります。

コピーして使えるすくみ足記録
【パーキンソン病 すくみ足メモ】

記録日:
記録した人:本人 / 家族 / 介助者

1. すくみ足が出た場面
歩き始め / 方向転換 / ドア前 / トイレ前 / 廊下 / 台所 / 玄関 / 浴室 / 屋外 / 横断歩道 / 人混み / その他:

2. 時間帯
朝 / 昼 / 夕方 / 夜 / 夜間トイレ / 起床直後 / 食後 / 入浴後

3. 薬との関係
直前の服薬時刻:
すくみ足が出た時刻:
薬が効いている感じ:ある / ない / 切れかけ / 分からない
ジスキネジア:なし / あり
眠気・ふらつき:なし / あり
立ちくらみ:なし / あり

4. 起きた状況
急いでいた:なし / あり
会話しながら歩いていた:なし / あり
荷物を持っていた:なし / あり
暗かった:なし / あり
狭かった:なし / あり
床に段差・マット・コード:なし / あり

5. その時に役立ったこと
いったん止まる / 声かけ / 数を数える / 床の線をまたぐ / 左右体重移動 / 手すり / 家族の補助 / その他:

6. 転倒・ヒヤリ
転倒:なし / あり
よろけた:なし / あり
支えが必要だった:なし / あり
けが:なし / あり

7. 次に相談したいこと
主治医:
理学療法士:
作業療法士:
ケアマネジャー:
福祉用具:

記録は毎日長く書く必要はありません。転倒した日、ヒヤリとした日、よく止まる場所だけを残すだけでも、相談の材料になります。

よくある質問

すくみ足はなぜ急に起きるのですか?

歩行のリズム、姿勢準備、重心移動、注意配分、環境条件が重なると急に起きやすくなります。歩き始め、方向転換、狭い場所、ドア前、急ぐ場面、会話しながら歩く場面で起こりやすいです。

すくみ足が出たら前に押して進むべきですか?

推奨しません。押し切ろうとすると、上半身だけ前へ進み、転倒につながることがあります。いったん止まり、姿勢を整え、リズムや目印を使って一歩を出す方が安全です。

薬で必ずよくなりますか?

薬の切れ目で強くなるすくみ足では、薬の調整が役立つことがあります。一方で、薬が効いている時間帯にも残ることがあります。薬だけで考えず、理学療法、外部キュー、住環境、転倒予防を組み合わせて整理します。

床にテープを貼るのは有効ですか?

視覚キューとして役立つ場合があります。ただし、テープやマットがつまずきの原因になることもあります。剥がれにくいこと、段差にならないこと、夜でも見えることを確認してください。

レーザーやメトロノームの機器は使った方がよいですか?

合う人もいますが、全員に同じように合うわけではありません。視覚キュー、聴覚キュー、装着しやすさ、外出時の使いやすさ、転倒リスクを確認し、可能であれば理学療法士や福祉用具専門相談員と試してください。

家族ができることはありますか?

急がせない、後ろから押さない、腕を急に引っ張らないことが大切です。「止まろう」「右足から一歩」「線をまたごう」のように、次の動作が分かる短い声かけにします。

すくみ足が増えたら受診した方がよいですか?

転倒がある、外出が怖い、夜間トイレで止まる、薬の切れ目で明らかに増える、家族の支えが必要になった場合は、主治医や理学療法士へ相談してください。

すくみ足と転倒リスクを一緒に見直したい方へ

後方転倒、夜間トイレ、手すり、住環境、転倒後の確認まで含めて整理したい場合は、姿勢反射障害と転倒予防のページも確認してください。

姿勢反射障害と転倒予防を見る

参考文献

  1. Parkinson’s Foundation. Freezing.
    https://www.parkinson.org/living-with-parkinsons/management/activities-daily-living/freezing
  2. Conde CI, Lang C, Baumann CR, Easthope CA, Taylor WR, Ravi DK. Triggers for freezing of gait in individuals with Parkinson’s disease: a systematic review. Frontiers in Neurology. 2023.
    https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10771308/
  3. Onuma R, et al. Association between freezing of gait and anticipatory postural adjustments in Parkinson’s disease. Journal of Physical Therapy Science. 2024.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39354925/
  4. Osborne JA, Botkin R, Colon-Semenza C, et al. Physical Therapist Management of Parkinson Disease: A Clinical Practice Guideline From the American Physical Therapy Association. Physical Therapy. 2022.
    https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9046970/
  5. Ginis P, Nackaerts E, Nieuwboer A, Heremans E. Cueing for people with Parkinson’s disease with freezing of gait: A narrative review of the state-of-the-art and novel perspectives. Annals of Physical and Rehabilitation Medicine. 2018.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28890341/
  6. Kwok JYY, Smith R, Chan LML, et al. Managing freezing of gait in Parkinson’s disease: a systematic review and network meta-analysis. Journal of Neurology. 2022.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35244766/
  7. NICE. Parkinson’s disease in adults. NG71. Recommendations.
    https://www.nice.org.uk/guidance/ng71/chapter/recommendations
  8. テクノエイド協会. Qピット 製品詳細.
    https://www.techno-aids.or.jp/assistive/productDetail?product_id=1019
  9. Walk With Path. Path Finder.
    https://www.walkwithpath.com/products/path-finder-2-0

すくみ足は、歩行開始、方向転換、狭い場所、二重課題、薬の効き方、環境条件などが重なって起こることがあります。対策は、薬、理学療法、外部キュー、住環境、家族の声かけを組み合わせて考えます。

まとめ

パーキンソン病のすくみ足は、歩き始め、方向転換、狭い場所、ドア前、急ぐ場面で起こりやすく、歩行のリズムや動作の切り替えの難しさが関係します。

すくんだ時は、前へ押し切るより、いったん止まり、姿勢を立て直し、声・リズム・床の目印・体重移動などのきっかけを入れて、一歩だけ出すことを考えます。

すくみ足は、薬の切れ目、疲労、不安、二重課題、住環境によって変わります。 どの時間帯、どの場所、どの動作で止まるのかを記録し、主治医や理学療法士と相談しながら、本人に合う方法を選ぶことが大切です。

免責事項

  • 本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断、薬剤調整、リハビリ内容、福祉用具選定を決めるものではありません。
  • すくみ足は転倒リスクと関係するため、頻度が高い場合、転倒した場合、外出や夜間トイレに支障がある場合は、主治医や理学療法士へ相談してください。
  • レボドパ、ドパミンアゴニスト、MAO-B阻害薬、COMT阻害薬、その他の薬剤を自己判断で中止・減量・増量しないでください。
  • 支援デバイスや福祉用具は、本人の歩き方や生活環境に合わないと危険な場合があります。導入前に専門職へ相談してください。
  • 転倒、頭部打撲、強い痛み、歩行不能、意識変化、ろれつの急な悪化、片側脱力がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。