【CMT】よく転ぶ・捻挫しやすいとき|足部変形と歩き方の整理

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よく転ぶ・捻挫しやすいとき|足部変形と歩き方の整理

CMTでは、つまずきやすい、ちょっとした段差で足先が引っかかる、足首をひねりやすい、同じ場所ばかり靴が削れるといった変化が出やすくなります。 こうした変化は、単に足が弱いだけでなく、足部変形、足首を持ち上げる力の低下、感覚の鈍さ、歩き方の代償が重なって起こることがあります。 このページでは、よく転ぶ・捻挫しやすいときに、足の形、歩き方、感覚、装具の考え方をどう整理すると分かりやすいかを実務的にまとめます。

本ページは一般的な情報整理です。急に片側だけ悪くなった、強い痛みや腫れがある、腰や首からのしびれを伴う場合は、CMTのいつもの変化だけで説明しない方が安全です。

結論

  • CMTで転びやすいのは、足首を持ち上げる力の低下、足部変形、感覚低下、バランス低下が重なるためです。
  • 高アーチ、ハンマートゥ、下垂足、足首の不安定さは、つまずきや捻挫の背景として整理しやすいポイントです。
  • 大切なのは「転んだ回数」だけでなく、どこで、どの方向へ、どんな靴で起きたかを記録することです。
  • 靴、足底板、AFOなどは、歩けなくなってからではなく、転倒や捻挫を減らしたい段階から整理する意味があります。

なぜ転びやすくなるのか

CMTでは、足首を上げる筋、足を外側や内側で安定させる筋、足裏の小さな筋、感覚を伝える神経が少しずつ影響を受けることがあります。 そのため、足先が床に引っかかる、着地の位置がずれる、ぐらついた時に立て直しにくい、といった形で転倒リスクが高くなりやすくなります。

さらに、足のアーチが高い、指が曲がる、靴の中で圧が偏るなどの足部変形があると、足首や足裏にかかる力の分散が悪くなり、捻挫や歩行時の不安定さにつながりやすくなります。

転びやすさは「筋力低下だけ」ではなく、足の形・足首の安定性・感覚の鈍さが重なって見えていることがあります。

歩き方で見たいこと

CMTでは、足先の引っかかりを避けるために膝を高く上げる、足を外へ回す、体を横へ振る、足音が大きくなるなど、独特の歩き方が目立つことがあります。 こうした代償は生活を回すための工夫ですが、疲労や腰痛、膝や股関節の負担にもつながりやすくなります。

足先が引っかかる

下垂足やつま先クリアランス低下を疑いやすい所見です。

膝を高く上げる

鶏歩のような代償歩行で、長距離では疲れやすさにつながります。

足音が大きい

足の振り出しや着地コントロールが難しくなっていることがあります。

方向転換でぐらつく

足首の安定性と感覚の問題が重なっていることがあります。

歩けていても、代償が大きい歩き方になっていると、転倒だけでなく疲労や二次的な痛みが増えやすくなります。

捻挫を繰り返しやすい理由

CMTでは、足首の横方向の安定性が落ちたり、接地位置の感覚が分かりにくくなったりして、軽い段差や傾きでも足首をひねりやすくなることがあります。 さらに、高アーチや内反傾向があると、外側へ崩れやすくなることもあります。

  • 同じ側ばかり捻挫する
  • 砂利道や uneven な床で特に不安定
  • 急な方向転換で足首が抜ける感じがある
  • 靴底の外側だけ早く減る
  • 疲れてくる後半ほどひねりやすい

捻挫は単なる不注意ではなく、足部変形・足首不安定・感覚低下の組み合わせで起きていることがあります。

靴・足底板・装具をどう考えるか

CMTでは、靴、足底板、足関節装具(AFO)などを、歩けなくなってからではなく、転倒や捻挫を減らしたい時点で整理する意味があります。 大切なのは「見た目」より、つま先の引っかかり、足首のぐらつき、足裏の圧集中がどれだけ減るかです。

  • つま先が引っかかるなら、足先クリアランスを補助する発想
  • 足首がぐらつくなら、靴や装具で横揺れを減らす発想
  • 高アーチやタコがあるなら、圧のかかり方を見直す発想
  • 長距離だけ崩れるなら、場面限定で補助を考える発想

装具は「重症だから使う」のではなく、転倒や捻挫を減らして生活を保つために使うと考える方が実務的です。

何を記録すると判断しやすいか

受診や装具相談では、「転びます」だけでは情報が足りません。次のような点を記録しておくと整理しやすくなります。

  • どこで転ぶか(屋内、屋外、階段、段差、砂利道)
  • どの方向に崩れるか(前、横、内側、外側)
  • 右と左のどちらが多いか
  • どんな靴の時に起きやすいか
  • 疲れてくると悪化するか
  • 捻挫後に腫れや痛みがどれくらい残るか

「何回転んだか」だけでなく、「どう転んだか」を残す方が、足部変形や装具の話につながりやすくなります。

受診で伝えたいこと

受診や装具相談では、症状の名前より、生活での困りごとを具体的に伝える方が役立ちます。

伝え方の軸
転びやすい場面 階段の下り、駅の乗り換え、砂利道、家の段差など
捻挫しやすい側 右足首ばかり外側へひねる、左だけ不安定など
靴との関係 柔らかい靴で悪い、ハイカットで少し安定するなど
疲労との関係 朝は平気だが夕方に増える、長距離後に一気に悪いなど
足の形 高アーチ、指の曲がり、タコ、靴ずれなど

「よく転ぶ」より、「駅の下り階段で右足先が引っかかりやすく、外側へひねる」の方がかなり整理しやすくなります。

よくある質問

CMTで足首の捻挫はよくありますか?

あります。足首の不安定さ、足部変形、感覚低下、下垂足が重なると、捻挫を繰り返しやすくなることがあります。

高アーチは見た目の問題だけですか?

そうではありません。接地の偏り、圧集中、足首不安定、靴トラブルなどに関わることがあります。

AFOは歩けなくなってから使うものですか?

一律ではありません。つまずきや転倒を減らしたい段階から整理する意味があります。

急に片足だけ悪くなった時もCMTで説明できますか?

そうと限りません。急な変化、強い痛みやしびれがある場合は別の原因も整理した方が安全です。

参考文献

  1. CMTA. A Guide to Physical and Occupational Therapy for CMT.
  2. CMTA. Foot Care.
  3. Charcot-Marie-Tooth Hereditary Neuropathy Overview. GeneReviews.
  4. Management of gait impairments in people with Charcot-Marie-Tooth disease.
  5. Current treatment methods for Charcot-Marie-Tooth diseases.

まとめ

CMTでよく転ぶ・捻挫しやすい時は、足首を持ち上げる力だけでなく、足部変形、感覚低下、歩き方の代償を一緒に整理すると分かりやすくなります。

転倒や捻挫は「注意不足」として片づけず、どこで、どう崩れるかを記録しておくと、靴・足底板・装具の相談にもつながりやすくなります。

  • 本ページは一般的な情報整理であり、個別の診断や装具処方を決めるものではありません。
  • 急な片側悪化、強い痛みや腫れ、腰や首からのしびれを伴う場合は、早めに医療機関へ相談してください。
  • CMTの転倒・捻挫リスクは、筋力、足部変形、感覚、靴環境が重なって見えていることがあります。