筋ジストロフィーとは
筋ジストロフィー(Muscular Dystrophy)とは、遺伝子の変異により、筋肉の細胞を支えるタンパク質(ジストロフィンなど)が作れなくなったり機能しなくなったりすることで、筋肉が壊れやすくなる疾患の総称です。
「筋肉そのもの」が病変の主体である点が、神経の病気であるALS(筋萎縮性側索硬化症)とは異なります。
主要な病型と詳細ページ
当ライブラリでは、以下の病型について詳細な医学情報(症状・遺伝・最新の管理法)をまとめています。
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共通するメカニズム
私たちの筋肉の細胞は、収縮と弛緩を繰り返すたびに強い負荷がかかります。通常、筋肉の細胞膜は「裏打ちタンパク質(ジストロフィンなど)」によって頑丈に守られていますが、筋ジストロフィーの患者さんは遺伝子の変異により、この守る仕組みが弱くなっています。
その結果、「筋肉を動かすたびに細胞膜が傷つき、壊れてしまう(壊死)」という現象が起こります。再生能力を超えて壊死が進むと、筋肉が脂肪や線維組織に置き換わり、徐々に筋力が低下していきます。
遺伝形式について
病型によって遺伝の仕方が異なります。正しい知識を持つことが大切です。
- ■ 常染色体優性遺伝(じょうせんしょくたい・ゆうせい)
- 両親のどちらかが病気の場合、性別に関係なく50%の確率で子供に遺伝します。
(該当:筋強直性ジストロフィー、顔面肩甲上腕型など) - ■ X連鎖劣性遺伝(えっくすれんさ・れっせい)
- 性染色体(X)に関連するため、基本的に「男性」に発症します。女性は保因者となりますが、症状が出る場合もあります。
(該当:デュシェンヌ型、ベッカー型) - ■ 常染色体劣性遺伝(じょうせんしょくたい・れっせい)
- 両親が保因者の場合、25%の確率で子供に発症します。両親に症状がない場合が多いです。
(該当:肢帯型の一部、福山型など)
Q. 「筋ジストロフィー」と「ミオパチー」は何が違うのですか?
広義には、筋肉の病気全体を「ミオパチー(Myopathy=筋疾患)」と呼びますが、医学的な分類では「筋肉が壊れていく性質(変性・壊死)」が強いものを筋ジストロフィーと呼び、それ以外の「生まれつき筋肉の構造に特徴があるもの」などを狭義のミオパチー(先天性ミオパチーなど)として区別します。
| 分類 | 特徴と主な違い |
|---|---|
| 筋ジストロフィー | 進行性 筋肉の細胞膜などが弱いために、日常生活の中で「筋肉の破壊(壊死)と再生」が繰り返され、徐々に筋肉が減っていく疾患群です。 (例:デュシェンヌ型、筋強直性、顔面肩甲上腕型など) |
| その他のミオパチー (先天性・代謝性など) |
非進行性 または 緩徐 筋肉が壊れるというよりは、「筋肉の構造そのものの異常」や「エネルギーを作る力の不足」が原因です。 乳児期から筋力低下があるものの、筋ジストロフィーに比べて進行がゆっくり、あるいは進行しない(非進行性)ケースも多く見られます。 (例:ネマリンミオパチー、ミトコンドリア病など) |
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