筋強直性ジストロフィー1型(DM1)は、筋力低下やミオトニアだけでなく、眠気、疲労、心臓、呼吸、嚥下、消化器、眼、内分泌、認知面にも影響します。
診察室で数分話すだけでは、日常の波や危険サインは伝わりにくいものです。特に、動悸・失神感、朝の頭痛、強い眠気、むせ、転倒、食事時間の延長は、本人が「いつものこと」と感じていても、心臓・呼吸・嚥下の確認につながることがあります。
このページでは、当事者・家族が今日から使える、DM1専用の最小記録セット、危険フラグ、月1の見返し、診察提出メモ、Cell Healingで見る身体機能の記録項目をまとめます。
急に息が苦しい、呼びかけへの反応がおかしい、強い胸の痛みが続く、食べ物や痰が詰まって息ができないなどの症状では、日本国内は119へ連絡してください。海外では現地の救急番号を使います。
記録の完成、SpO2の測定、次の外来、問い合わせフォームの返信を待たず救急対応を優先します。DM1の診断、薬、使用中の呼吸機器や心臓の機器があれば伝えてください。
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生活の変化を短く残し、診察につなげる
DM1では、疲労、眠気、動作のしやすさが日によって変わることがあります。家庭で続ける方法の一例として、週1回、同じ曜日・時間帯に短くまとめる形を紹介します。記録の頻度は、本人の負担と医療者からの指示に合わせて調整してください。
新しい症状や体調の変化があれば、その時点で短く残します。心臓、呼吸、嚥下などの変化は、記録日や次回の外来を待たず医療機関へ相談してください。目的は、生活で起きたことを主治医や家族に伝えやすくすることです。
- 週1回は続け方の一例。同じ条件で比べ、医療者の指示に応じて頻度を調整します。
- 変化があれば、その時に残す。風邪、転倒、むせ、眠気などの変化は発生した日時・状況を添え、必要な相談を優先します。
- 心臓・呼吸・嚥下は赤旗として扱う。失神感、息苦しさ、朝の頭痛、咳の弱さ、むせの増加は早めに相談します。
- 点数と生活の変化を合わせて見る。疲労の強さ、転倒の増加、食事時間、介助の量などを、維持・楽になったこと・難しくなったことも含めて残します。
- 診察前に1か月分だけ見返す。すべてを持っていくより、増えた症状と困っている動作を短くまとめます。
- 記録と医療判断を混同しない。記録は受診時に伝える材料であり、心臓・呼吸・嚥下の判断を自分で確定するものではありません。
週1回・5分程度を一例に、疲労などの主観スコア、転倒、眠気、呼吸、心臓、嚥下、生活動作を短く残します。体調が変わった時は別に追記し、相談を記録の完成まで待ちません。
なぜDM1では記録が重要なのか
DM1では、症状が筋肉だけに限られません。ミオトニア、足首の弱さ、疲労、日中の眠気、朝の頭痛、動悸、失神感、むせ、便通、白内障、認知面の変化などが重なります。
そのため、診察で「最近少し悪い気がする」と伝えるだけでは、心臓・呼吸・嚥下・眠気のどこに問題があるのか判断しにくくなります。週1の記録は、病気を細かく監視するためではなく、相談するべき変化を見逃さないための道具です。
| 記録したい領域 | なぜ重要か | 見たい変化 |
|---|---|---|
| 疲労 | 運動量、睡眠、呼吸、血糖、痛み、過活動が重なります。 | 翌日に残るか、2日以上残るか、午後に崩れるか。 |
| 眠気 | 中枢性の過眠だけでなく、睡眠時低換気や睡眠時無呼吸が関係することがあります。 | 居眠り回数、朝の頭痛、いびき、寝ても回復しない感覚。 |
| 転倒・つまずき | 下垂足、疲労、眠気、視力、環境が重なり、骨折や外出制限につながります。 | 回数、場所、靴、時間帯、疲労との関係。 |
| 心臓サイン | DM1では伝導障害や不整脈が問題になることがあります。 | 動悸、めまい、失神感、胸部違和感、息切れ。 |
| 呼吸サイン | 睡眠時低換気、咳の弱さ、痰の出しにくさが隠れることがあります。 | 朝の頭痛、日中眠気、横になると苦しい、咳が弱い。 |
| 嚥下・食事 | むせ、食事時間の延長、体重減少は誤嚥性肺炎や低栄養の入口になります。 | 水分でむせる、食後の湿った声、食事時間、体重。 |
| 生活動作 | 階段、立ち上がり、仕事、家事、入浴、移動の困りごとは生活の質に直結します。 | 手すりが必要になった、休憩が増えた、介助が増えた。 |
DM1では、本人が「いつもの疲れ」と思っていることが、呼吸・睡眠・心臓・代謝の変化と関係している場合があります。記録は不安を増やすためではなく、変化を早めに言葉にするために使います。
記録で優先したい順番
| 優先 | 記録すること | 先につなげる相談 |
|---|---|---|
| 1. 安全サイン | 動悸、失神感、胸部違和感、朝の頭痛、夜間の息苦しさ、むせ増加、肺炎、転倒。 | 心臓、呼吸、嚥下、転倒リスクの確認。 |
| 2. 生活機能 | 歩行、階段、立ち上がり、手指、仕事、家事、外出、入浴。 | リハビリ、福祉用具、生活環境、施術で見る身体機能。 |
| 3. 波と条件 | 疲労が残る条件、眠気が強い時間帯、冷え、感染後、活動後の反動。 | 活動量、睡眠、呼吸、代謝、負荷量の見直し。 |
DM1の心臓の異常は、症状が少ないまま見つかることがあります。家庭の記録が「なし・変化なし」でも、心電図、呼吸・睡眠、嚥下など、担当チームと決めた評価の代わりにはなりません。次の受診・検査日も記録に残してください。
記録の基本ルール:短く・同じ条件で・見返す
記録は長くすると続きません。DM1では、生活に直結する項目だけを選び、同じ条件で比べることが大切です。
記録は、本人や家族を責めるためのものではありません。「先月より転倒が増えた」「眠気が強くなった」「むせが増えた」という変化を、相談につなげるための材料です。
居眠り・転倒・むせなどの回数は「直近7日間」など、同じ長さの観察期間で比べます。0〜10点の主観メモは、記録時点の感じ方として、できるだけ同じ時間帯に残します。観察期間・記録者・時点を添え、本人の感想と家族の観察を区別してください。
靴・装具・補助具、手すりや介助、直前の活動と休憩、感染、睡眠、薬や生活環境の変更も残します。「手すりを使って一段ずつ」など、複数の選択肢が当てはまる場合は具体的に書いて構いません。
分からない・観察していない項目は「不明」、測定していない項目は「未測定」とし、「なし・0」と区別します。記録のために補助具や必要な呼吸補助を外したり、限界まで動作を試したりする必要はありません。
最小の記録セット:5分で残す項目
週1回まとめる場合の記録例です。スマートフォンのメモ、紙、カレンダー、ノートなど、続けやすい方法で必要な項目を選んでください。
A. 主観スコア
| 項目 | 記録方法 | 見たい変化 |
|---|---|---|
| 疲労 | 0〜10点の主観メモ。例:0=疲労なし、10=本人が経験する最も強い疲労。 | 以前より強い、翌日に残る、回復に時間がかかる、生活に影響する。 |
| 眠気 | 0〜10点+日中の居眠り回数。 | 居眠りが増えた、運転や仕事中に眠い、朝の頭痛を伴う。 |
| 痛み | 部位と0〜10点。肩・腰・膝・足首など。 | 同じ場所の痛みが続く、歩行や睡眠に影響する。 |
| こわばり | 手が開きにくい、顎がこわばる、動き出しが硬い。 | 冷え・疲労・時間帯で悪化するか。 |
疲労・眠気・痛み・こわばりの点数を合計して、DM1の重症度や治療効果を判定する形式ではありません。症状ごとに「0=症状なし、10=本人が経験する最も強い状態」など、意味を決めてそろえます。痛みでは、部位と動作・安静時などの条件も残します。
眠気の0〜10点は、Epworth Sleepiness Scale(ESS)の点数とは異なります。必要な標準化された質問票・機能評価は医療者と確認し、使った名称・版・日付・条件を残してください。
この独自のメモには「2点上がるまで」「2日続くまで」という一律の受診基準を設けません。点数が低くても新しい症状は相談します。眠気がある時は運転や危険な作業を避け、医療機関へ相談してください。
B. 動作・転倒
| 項目 | 記録方法 | 相談につながる変化 |
|---|---|---|
| 階段 | 手すりなし / 手すりあり / 一段ずつ / 途中で休む / 避けている。 | 手すりが必須になった、下りが怖い、翌日疲労が強い。 |
| 立ち上がり | 手を使わない / 手を使う / 何度か試す / 介助が必要。 | トイレ、浴室、車の乗降で困るようになった。 |
| 転倒 | 週あたり回数、場所、時間帯、靴、疲労の有無。 | 新しい転倒、以前より増えた転倒、頭や顔を打つ、夜間や浴室で転ぶ。 |
| つまずき | 0回 / 1〜2回 / 3回以上。段差、足先、靴をメモ。 | 下垂足、疲労、装具・靴の相談につながります。 |
| 仕事・家事 | 通常通り / 休憩が必要 / 翌日に残る / 一部できない。 | 活動量、休憩、職場・家庭内の調整に使います。 |
C. 合併症の入口
| 項目 | 記録方法 | 進む相談 |
|---|---|---|
| 朝の頭痛 | あり / なし。週何回か。 | 呼吸・睡眠評価の相談材料になります。 |
| 夜間の息苦しさ | あり / なし。横になると苦しい、中途覚醒、寝汗。 | 睡眠時低換気、睡眠時無呼吸の確認。 |
| 咳が弱い・痰が出ない | あり / なし。風邪後に長引くか。 | 排痰、呼吸リハ、カフアシスト相談の入口。 |
| 動悸・めまい・失神感 | あり / なし。頻度、状況、持続時間。 | 心電図、ホルター心電図、循環器相談。 |
| むせ | 増えた / 変わらず。水分、汁物、錠剤、食後の声。 | 嚥下評価、食形態、呼吸・排痰の確認。 |
| 体重 | 週1または月1。前月との差を見る。 | 低栄養、嚥下、消化器、糖代謝の確認。 |
疲労:__/10、眠気:__/10、居眠り:__回、転倒:__回、むせ:増えた/変わらず、朝の頭痛:あり/なし、動悸・めまい・失神感:あり/なし。
D. 検査結果は値・単位・条件と推移を残す
| 検査・情報 | 残しておきたい内容 | 使い道 |
|---|---|---|
| 心電図・ホルター心電図 | 検査日、PR間隔、QRS幅、房室ブロック、脚ブロック、不整脈の有無。 | 前回からの変化を確認し、循環器相談につなげます。 |
| 呼吸機能・睡眠評価 | 肺活量、夜間SpO2、CO2、NPPVの有無、朝の頭痛・眠気。 | 低換気、睡眠障害、排痰補助の相談につなげます。 |
| 嚥下・栄養 | 食事時間、むせ、湿った声、体重、肺炎歴。 | 嚥下評価、食形態、栄養、誤嚥予防の相談につなげます。 |
| 眼・代謝 | 白内障、視力、HbA1c、血糖、甲状腺、脂質。 | 疲労や眠気をDM1だけで決めつけないために使います。 |
検査日、項目名、値と単位、姿勢や使用中の呼吸補助などの条件を、検査票どおりに写します。PR間隔・QRS幅の単位(ms)、FVC・VCの実測値(L・mL)と予測値に対する割合(%)、MIPの符号・単位などを混ぜず、不明な点は医療者へ確認します。
CO2は、動脈血・静脈血・経皮・呼気終末などの測定方法も記録します。PaCO2は動脈血の値です。家庭のSpO2が保たれていても、夜間低換気やCO2上昇を否定できるとは限りません。
医療者から連絡・再検査を指示された値は、過去からの推移の記録だけで済ませず、その指示に従ってください。呼吸の数値の読み方と診察メモは、DM1の呼吸・睡眠ページにまとめています。
危険フラグ:記録より相談を優先するサイン
次の症状がある場合は、記録を続けて様子を見るより、早めに主治医・専門医へ相談してください。DM1では、心臓・呼吸・嚥下の変化が安全に関わります。
| 領域 | 相談を優先したいサイン | 理由 |
|---|---|---|
| 心臓 | 失神、強い失神感、動悸、めまい、脈が飛ぶ感じ、胸部違和感。 | 伝導障害や不整脈の確認が必要になることがあります。 |
| 呼吸・睡眠 | 朝の頭痛、日中眠気の急な悪化、夜間の息苦しさ、横になると苦しい。 | 睡眠時低換気や睡眠時無呼吸が隠れることがあります。 |
| 排痰 | 咳が弱い、痰が出せない、風邪が長引く、発熱を繰り返す。 | 肺炎や排痰困難につながることがあります。 |
| 嚥下 | むせが増えた、食後に声が湿る、体重が落ちる、肺炎を繰り返す。 | 誤嚥性肺炎や低栄養の入口になることがあります。 |
| 転倒 | 転倒が増えた、頭や顔を打った、浴室・階段・夜間で危ない。 | 骨折や頭部外傷につながるため、環境調整が必要です。 |
| 急な変化 | 数日〜数週間で明らかに筋力、歩行、食事、呼吸が悪化した。 | 感染、心肺、代謝、薬剤、別の病気の影響も確認します。 |
動悸、失神感、息苦しさ、朝の頭痛、強い眠気、咳の弱さ、むせの増加は、DM1では軽く見ない方がよいサインです。記録を続けるより、相談を優先してください。
動悸・めまい・失神しそうな感じは、予定の記録日を待たず医療機関へ連絡します。実際に意識を失った場合は、回復しても早急に医療機関へ連絡してください。反応がおかしい、呼吸が苦しい、強い胸痛が続くなどの場合は、冒頭の救急案内を優先します。表の「数日〜数週間」は、その期間まで相談を待つ意味ではありません。
週1チェック表
以下はコピーして使える家庭記録の例です。症状や回数が分からない場合は「不明」、おおよそなら「約」と残します。検査結果・薬の量・機器の処方設定は推測せず、検査票や処方内容どおりに記録してください。
記録日:__年__月__日(曜日:__)
今週の体調:良い / 普通 / 悪い
疲労:0〜10点で__点
眠気:0〜10点で__点 / 日中の居眠り__回
痛み:部位____ / 0〜10点で__点
こわばり:手・顎・足・その他____ / 強さ__点
転倒:0回 / 1回 / 2回以上 / 場所____
つまずき:0回 / 1〜2回 / 3回以上 / 場所____
階段:普通 / 手すり必要 / 一段ずつ / 避けた
立ち上がり:普通 / 手を使う / 何度か試す / 介助
朝の頭痛:なし / あり(週__回)
夜間の息苦しさ・中途覚醒:なし / あり
咳が弱い・痰が出ない:なし / あり
動悸・めまい・失神感:なし / あり(状況____)
むせ:変わらず / 増えた / 水分・汁物・錠剤・食事中
体重:__kg
今週いちばん困ったこと:________
観察期間・記録者:__月__日〜__月__日(__日間) / 本人・家族・支援者:__
点数を付けた時刻・条件:__
前回との条件の違い:薬・機器・装具・介助・感染・睡眠・生活環境など、変更日と内容:__
維持・楽になったこと・難しくなったこと:____
紙に印刷する場合は、この部分をコピーして使えます。スマートフォンでは、前回分を残して日付ごとに複製・追記してください。同じメモを上書きして過去の記録を消さず、条件が変わった時はその違いも残します。
月1の見返しチェック
月1回を目安に、同じ長さの観察期間で比べます。悪化だけでなく、維持できたこと、楽になったこと、介助や休憩の変化も残します。新しい症状の相談を、この見返しまで待つ必要はありません。
| 月1で見る項目 | 悪化の目安 | 次の動き |
|---|---|---|
| 疲労 | 平均点が上がった、翌日に残る日が増えた、2日以上戻らない。 | 活動量、睡眠、呼吸、血糖、リハ負荷を見直します。 |
| 眠気 | 居眠りが増えた、仕事・運転・会話中に眠い、朝の頭痛がある。 | 呼吸・睡眠評価を相談します。 |
| 転倒・つまずき | 回数が増えた、危険な場所で転んだ、頭や顔を打った。 | 靴、装具、杖、手すり、夜間照明、リハ相談へ進みます。 |
| 心臓サイン | 動悸、めまい、失神感が新しく出た、増えた。 | 心電図、ホルター心電図、循環器相談を優先します。 |
| 呼吸サイン | 朝の頭痛、夜間の息苦しさ、咳の弱さ、痰の出しにくさが増えた。 | 呼吸機能、睡眠評価、排痰相談へ進みます。 |
| 嚥下・体重 | むせが増えた、食事時間が伸びた、体重が下がった。 | 嚥下評価、栄養、呼吸・排痰も合わせて相談します。 |
| 生活動作 | 階段、立ち上がり、仕事、家事、入浴で介助や休憩が増えた。 | リハ、福祉用具、制度、家族支援を確認します。 |
「眠気が強くなった」「転倒が減った」「食事時間は変わらない」「同じ距離でも休憩が増えた」のように、良い変化・維持・困りごとと、その時の条件を短く残します。
週1回・月1回は家庭で記録・整理する頻度の例です。医療機関での検査・受診の間隔を指定するものではありません。「翌日に残る」「2日以上」は回復を振り返る情報であり、強い疲労・痛み・普段と違う脱力が出ても待つ日数ではありません。活動を中断し、症状に応じて医療者へ相談してください。
診察で役立つ提出用メモ
DM1は話す内容が多くなりやすいため、診察前に1枚に圧縮すると相談しやすくなります。すべての記録を見せるより、「この1か月で増えたこと」を先に書きます。
・この1か月で増えた症状:(例:朝の頭痛が週__回、眠気が強い、転倒が増えた、むせが増えた)
・動悸 / めまい / 失神感:なし / あり(頻度__、状況____)
・睡眠:中途覚醒 / 息苦しさ / いびき / 日中の居眠り / 朝の頭痛
・呼吸・排痰:咳が弱い / 痰が出ない / 風邪が長引く / 肺炎歴
・嚥下:むせ増加 / 水分でむせる / 食後に声が湿る / 体重低下
・転倒:月__回 / 場所:自宅・屋外・階段・浴室・夜間・その他
・今困っている生活動作:階段 / 立ち上がり / 仕事 / 家事 / 入浴 / 通院 / 外出
・相談したいこと:心臓 / 呼吸 / 嚥下 / 眠気 / リハ / 薬 / 制度 / 家族支援
・記録期間・記録者・条件:__月__日〜__月__日 / 本人・家族・支援者:__
道具・介助・体調など、前回と違う条件:__
・検査・薬・機器の情報:検査日・項目名・数値と単位・測定条件・受けた説明:__
薬の一覧、処方・機器設定の控え、変更日:__
・維持できたこと・楽になったこと:__
いつから、同時期に変わった治療・薬・活動・生活条件:__
・次の予定と連絡先:今回優先して聞くこと:1.__ 2.__
次回受診・検査日、担当者:__
日中/夜間休日の連絡先、本人用の急変時対応:__
1. 失神感・動悸・息苦しさ・朝の頭痛・むせ増加など安全に関わる変化。
2. この1か月で増えた症状。
3. 生活で一番困っている動作。
4. 薬・検査・リハ・制度で相談したいこと。
未測定・不明な項目は、そのまま残して構いません。検査票、お薬手帳、機器の処方内容・使用データがあれば一緒に持参します。記録を整えるために相談を遅らせる必要はありません。
家族が記録を手伝う時の注意
DM1では、本人が眠気、疲労、段取りの難しさ、意欲低下を自覚しにくいことがあります。家族の観察は役立ちますが、責める形になると続きません。
| 家族が見やすいこと | 記録の仕方 | 避けたい言い方 |
|---|---|---|
| 日中の眠気 | 寝落ちした時間帯、回数、食後・午後・運転前など。 | 「だらしない」「寝すぎ」ではなく、症状として記録します。 |
| むせ | 水分、汁物、錠剤、食後の声、咳払い。 | 「食べ方が悪い」と責めず、条件を残します。 |
| 転倒・つまずき | 場所、靴、時間帯、疲労、照明、段差。 | 「気をつけて」だけで終わらせず、環境を変えます。 |
| 手続きの難しさ | 予約、書類、薬管理、通院準備で支援が必要な場面。 | 「やる気がない」ではなく、支援の仕組みを作ります。 |
記録は本人を管理するためではなく、危険サインを早く拾い、必要な支援につなげるためのものです。家族が書く場合も、事実だけを短く残すことを意識してください。
本人と相談して、誰がどの項目を記録するかを決めます。「本人の眠気は4/10」「家族が午後の居眠りを2回確認」のように、本人の感じ方と観察した事実を分けて残してください。代理で記入した場合も、そのことを明記し、答えが違っても無理に一つへそろえる必要はありません。
Cell Healingで見る身体機能
DM1の記録では、医療機関で確認する心臓・呼吸・嚥下の危険サインと、日常の身体機能を分けて残すことが大切です。動悸、失神感、朝の頭痛、強い眠気、むせ、肺炎、急な息苦しさがある場合は、医療機関での確認を優先します。
Cell Healingでは、筋力、筋肉量、歩行、手指、姿勢、疲労、痛み、生活動作の変化を確認し、機能回復を目的とした施術を行います。記録は、施術前後の変化や、疲労が残る条件、生活動作で困る場面を整理する材料にもなります。
| 見ること | 記録する例 | 確認する意味 |
|---|---|---|
| 歩行・転倒 | つまずき、下垂足、階段、外出後の疲労、転倒場所。 | 生活範囲、安全性、疲労の残り方を見ます。 |
| 手指・ミオトニア | 握った後に開きにくい、スマホ、箸、書字、仕事道具。 | 日常動作の使いにくさと負荷条件を見ます。 |
| 首・体幹・姿勢 | 座位が崩れる、首が疲れる、食事姿勢、長時間作業後の痛み。 | 呼吸、嚥下、作業効率、疲労とも関係します。 |
| 疲労・翌日の反動 | 外出翌日に動けない、午後に崩れる、2日以上戻らない。 | 過負荷と活動量低下の両方を分けて見ます。 |
| 生活動作 | トイレ、入浴、階段、家事、仕事、通院、外出。 | 本人が本当に困っている動作を見つけます。 |
記録した困りごとを、姿勢・生活動作の相談へ
Cell Healingへの相談・来院を検討する場合は、困っている動作、疲労や痛み、維持・変化したこと、医療者からの注意点をお知らせください。記録がすべて埋まっている必要はありません。
検査結果の医学的な判断、薬・呼吸器・酸素の変更、心臓・睡眠・嚥下の診療は担当医療機関へ相談してください。急な症状では問い合わせの返信を待たず、医療機関・救急へ連絡してください。
施術・ケアの前後を比べる時も、薬、リハ、機器、睡眠、活動量、感染など同時期の条件を残します。家庭記録だけで変化の原因や施術の効果を確定せず、医療機関での評価と合わせて見ます。
参考文献・一次情報
- GeneReviews: Myotonic Dystrophy Type 1
- GeneReviews Japan:筋強直性ジストロフィー
- 難病情報センター:筋ジストロフィー(指定難病113)一般利用者向け
- 難病情報センター:筋ジストロフィー(指定難病113)診断・治療指針
- Ashizawa T, et al. Consensus-based care recommendations for adults with myotonic dystrophy type 1. Neurology: Clinical Practice. 2018.
- American Academy of Neurology: Consensus-based Care Recommendations for Adults with DM1
- Myotonic Dystrophy Foundation: Quick Reference Version, Consensus-based Care Recommendations for Adults with DM1
- McNally EM, et al. Clinical Care Recommendations for Cardiologists Treating Adults With Myotonic Dystrophy. Journal of the American Heart Association. 2020.
- Myotonic Dystrophy Foundation: Consensus-based Care Recommendations for Pulmonologists Treating Adults with DM1
- Groh WJ, et al. Electrocardiographic Abnormalities and Sudden Death in Myotonic Dystrophy Type 1. New England Journal of Medicine. 2008.
- Muscular Dystrophy Association: Myotonic Dystrophy
- Epworth Sleepiness Scale公式:About the ESS(家庭の0〜10点メモとの区別)
- 厚生労働省:こんな時は迷わず119へ
医学情報・参照先の確認日:2026年10月16日。成人DM1の合意に基づく診療推奨と、心臓・呼吸の資料を参照しています。本ページの家庭用メモ、0〜10点、週1回・月1回という例は、標準化された診断・機能評価・治療効果判定の尺度ではありません。小児・先天型を含む実際の評価内容と間隔は、年齢や状態に応じて担当チームと確認してください。
免責事項
本ページは、筋強直性ジストロフィー1型(DM1)の評価と記録に関する一般情報です。個別の診断、治療方針、薬剤選択、検査時期、リハビリ内容、呼吸管理、心臓管理を指示するものではありません。
動悸、めまい、失神感、強い眠気、朝の頭痛、呼吸のしづらさ、咳の弱さ、むせ、肺炎、体重減少、急な歩行低下、転倒増加、手術・麻酔予定がある場合は、主治医または専門医へ相談してください。
記録は医療判断の代替ではありません。動悸、失神感、朝の頭痛、夜間の息苦しさ、咳の弱さ、むせの増加など、記録で様子を見るより相談を優先すべきサインがある場合は、早めに医療機関へ共有してください。
薬、呼吸補助、検査、通院を自己判断で中止・変更しないでください。急な呼吸困難、意識の異常、強い胸痛などでは、日本国内は119、海外では現地の救急番号へ連絡します。
