腰痛や拘縮が目立つとき|歩き方の代償をどう整理するか
CMT(シャルコー・マリー・トゥース病)では、足先の筋力低下、下垂足、凹足、ハンマートゥ、足首の不安定さ、感覚低下が先に目立ちやすくなります。 そのため、腰痛や股関節まわりの張り、足首や足趾の硬さは「CMTとは別の腰の問題」として扱われることがあります。 しかし実際には、つまずかないように脚を高く上げる、足の外側に体重が偏る、体を横に振ってバランスを取る、膝や股関節で足先の動きを補う、といった歩き方が続くことで、腰や股関節に負担が集まることがあります。
拘縮(こうしゅく:関節や筋肉・腱が硬くなり、動く範囲が狭くなる状態)が進むと、靴や装具が合いにくくなり、歩行量や姿勢にも影響します。 このページでは、CMTで腰痛や拘縮が目立つときに、痛い場所だけでなく、足の接地、歩き方、靴・装具、柔らかさ、歩行量をどう整理するとよいかをまとめます。
まず押さえたいこと
- CMTの腰痛や拘縮は、腰だけの問題ではなく、足部変形、下垂足、感覚低下、足首不安定、歩き方の代償が重なって見えることがあります。
- 腰痛がある時は、神経由来の痛み、歩き方や姿勢による痛み、関節や筋肉の使いすぎが混ざっていないかを分けて考えます。
- 拘縮は足首や足趾だけでなく、ふくらはぎ、膝、股関節、手指にも影響し、歩行、装具、靴、日常動作を難しくします。
- 痛い場所だけを追うより、足の接地、靴の当たり、装具の合い方、歩行量、休憩、翌日の疲れを合わせて見る方が整理しやすくなります。
- 急な痛み、外傷、発熱、排尿・排便の変化、片脚だけの急な悪化がある場合は、CMTの経過と決めつけず受診してください。
ここで整理すること
このページでは、CMTの中でも「腰痛」「股関節まわりの張り」「足首や足趾の硬さ」「歩き方の代償」に絞って整理します。 足そのものの痛み、凹足・ハンマートゥ、下垂足、靴選びは別ページでも詳しく扱っています。
| このページで見ること | 主な内容 | 別ページで詳しく見ること |
|---|---|---|
| 腰痛と歩き方 | つまずきを避ける動き、体幹の揺れ、左右差、歩行量との関係 | 足の痛み、下垂足、転倒・捻挫の整理 |
| 拘縮 | 足首、足趾、ふくらはぎ、膝、股関節、手指の硬さ | 凹足・ハンマートゥ、靴・装具、手先の使いにくさ |
| 靴・装具との関係 | 足のずれ、外側荷重、足底板、AFOとの相性 | 靴選び、下垂足、足底板・装具の相談 |
| 日常での記録 | 痛みが出る場面、翌日の反動、歩ける距離、硬さの変化 | 受診メモ、リハビリ相談、学校・仕事での調整 |
このページの中心は「腰痛そのもの」ではなく、腰へ負担が集まる流れを見つけることです。
なぜ腰痛や拘縮が目立ってくるのか
CMTでは、足首を上げる力の低下、足部変形、足裏の感覚低下、バランスの低下が組み合わさって、歩き方が少しずつ変わります。 つま先が引っかからないように膝や股関節を大きく上げる、足の外側に体重がかかる、体を左右に振る、腰を反らして姿勢を保つなどの動きが増えると、腰や股関節に負担が集まりやすくなります。
さらに、足首や足趾が硬くなると、地面をなめらかに押す動きが出しにくくなります。 その結果、足で吸収できない衝撃や不安定さを、膝、股関節、腰で補うことになります。 こうした状態が続くと、腰痛、股関節まわりの張り、ふくらはぎの硬さ、足裏の痛み、装具の合いにくさが目立ってくることがあります。
つま先の引っかかりを避けるため、股関節や腰まわりの仕事量が増えることがあります。
足裏の一部や足の外側に体重が集まり、膝や腰へ負担が広がることがあります。
足首の動きが少ないと、歩幅や蹴り出しが変わり、腰や股関節で補いやすくなります。
足裏の感覚が鈍いと、無意識に体を固めて歩き、腰や背中が疲れやすくなることがあります。
腰痛や拘縮は「別の新しい問題」だけではなく、足の問題を長く補ってきた結果として見えることがあります。
腰痛をどう分けて考えるか
CMTの痛みは一種類ではありません。 足や下腿のしびれ、灼ける感じ、ピリピリ感のような神経由来の痛みもあれば、歩き方や姿勢、荷重の偏りからくる筋肉・関節の痛みもあります。 腰痛がある時は、どちらか一方に決めつけず、どういう場面で強くなるかを見ます。
| 痛みの出方 | 見たい背景 | 記録の例 |
|---|---|---|
| 歩いた後や立ち続けた後に強い | 荷重の偏り、体幹の代償、姿勢保持の負担 | 「20分歩くと右腰が張る。休むと少し楽になる」 |
| 足のしびれや灼熱感と重なる | 神経由来の痛みが混ざっている可能性 | 「足裏の灼ける感じと一緒に腰が重くなる」 |
| 片側だけが極端に張る | 左右差のある荷重、片側の足首不安定、片側だけの代償 | 「左足をかばうと右腰が張る」 |
| 朝より夕方に悪い | 一日の歩行量、立位時間、疲労の蓄積 | 「朝は軽いが夕方になると腰が伸びにくい」 |
| 座りっぱなしで強い | 姿勢、椅子、股関節の硬さ、腰背部の緊張 | 「長く座ると立ち上がりで腰が固まる」 |
| 靴や装具を変えた後に出た | 足の接地、歩き方、足底板・AFOの相性 | 「新しい装具後、歩きやすいが腰の張りが増えた」 |
「CMTだから神経の痛み」と決めつけると、靴、装具、姿勢、歩行量の見直しが遅れることがあります。
反対に、腰だけの問題と決めつけても、足部変形や感覚低下の影響を見落としやすくなります。
歩き方の代償として見やすいサイン
下垂足や凹足があると、つまずかないために無意識の代償が増えます。 本人にとっては「いつもの歩き方」になっているため、腰や股関節への負担に気づきにくいことがあります。
つま先が引っかからないように、股関節や膝を大きく使っている可能性があります。
足首や片脚支持の不安定さを、腰や体幹で補っていることがあります。
凹足や内反があると、足の外側、足首、膝、腰へ負担が広がりやすくなります。
股関節や足首の動きに制限があると、腰を反らして姿勢を保つことがあります。
靴や装具で補われていた不安定さが、裸足になると目立つことがあります。
平地では保てても、階段、坂、砂利道、濡れた床で代償が増えることがあります。
本人には分かりにくいサイン
| 周囲から見えること | 背景として考えること | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 歩くと肩や腰が揺れる | 足首や股関節で支えきれず、体幹で補っている | 片側だけ揺れが強いか、疲れると強くなるか |
| 足音が左右で違う | 接地の偏り、足の落ち方、靴底の減り方の左右差 | 靴底、足裏のタコ、足首の向き |
| 段差前で止まる | つま先の引っかかり、下垂足、足首の不安定さ | 段差、階段、坂での困り方 |
| 歩行後に腰を伸ばす | 腰背部や股関節まわりに負担が集まっている | 歩行時間、休憩、翌日の疲れ |
代償歩行は「歩けている証拠」でもありますが、同時に別の部位へ負担を移しているサインでもあります。
拘縮が目立ちやすい場所と困りごと
拘縮は、関節や筋肉・腱が硬くなり、動かせる範囲が狭くなる状態です。 CMTでは、足首、足趾、足底、ふくらはぎの硬さが先に目立ちやすく、長い経過で膝、股関節、手指、脊柱まわりの問題が加わることがあります。
| 目立ちやすい場所 | 生活で困りやすいこと | 見直したいこと |
|---|---|---|
| 足首 | つま先が上がらない、段差で引っかかる、AFOが合いにくい | 足関節の動き、ふくらはぎの硬さ、装具の角度 |
| 足趾・足底 | ハンマートゥ、タコ、靴ずれ、足裏痛、爪の圧迫 | 靴の深さ、足底板、足裏の圧、足趾の当たり |
| ふくらはぎ | 足首が返りにくい、歩幅が狭い、坂や階段がつらい | 痛みのない範囲のストレッチ、歩行量、靴の踵 |
| 膝 | 膝が伸びきる、曲げ伸ばしがぎこちない、立ち座りがつらい | 膝だけでなく足首・股関節とのつながり |
| 股関節 | 歩幅が狭い、腰が反る、立ち上がりで腰が張る | 座り姿勢、歩行量、股関節前面・後面の硬さ |
| 手指 | ボタン、つまみ動作、スマホ、書字がしにくい | 手指の硬さ、感覚低下、疲れやすさ、道具の工夫 |
拘縮は「関節が硬い」という話だけではなく、靴、装具、歩行、立ち座り、手作業を難しくする要因として見ます。
歩き方を確認するときの見方
歩き方を確認する時は、きれいに歩けているかより、どこに負担が集まっているかを見ます。 自分だけでは分かりにくい場合は、家族に短い動画を撮ってもらい、医師や理学療法士に見てもらうと説明しやすくなります。
見たい場面
- 平地を普段の速度で歩く。
- 少し疲れた後に歩く。
- 靴あり、装具あり、裸足に近い状態で差を見る。
- Uターンや方向転換で崩れないかを見る。
- 段差、階段、坂、砂利道で何が変わるかを見る。
- 歩いた後に腰・股関節・膝・足裏のどこがつらくなるかを見る。
記録の例
| 見ること | 書き方の例 |
|---|---|
| 歩ける距離 | 「10分までは平気。15分を超えると右腰が張る」 |
| つまずき | 「夕方になると左つま先が段差で引っかかる」 |
| 左右差 | 「右足だけ外側で着く感じがある」 |
| 靴・装具との差 | 「AFOありではつまずきは減るが、腰の張りが増える」 |
| 翌日への残り方 | 「外出翌日は腰とふくらはぎが重く、階段がつらい」 |
動画を撮る場合は、正面、横、後ろから数歩ずつで十分です。無理に長く歩いて疲れさせる必要はありません。
靴・足底板・装具との関係
腰痛や拘縮がある時は、腰や股関節だけでなく、靴・足底板・AFO(短下肢装具:足首から足先を支える装具)の状態も見ます。 足元の支え方が変わると、歩き方が変わり、腰や膝への負担が変わることがあります。
| 見直したいこと | 腰痛・拘縮との関係 | 確認の例 |
|---|---|---|
| 靴底の減り方 | 外側や片側だけ減る場合、荷重の偏りが強いことがあります。 | 左右の靴底を写真で残す。 |
| 足底板の合い方 | 圧が分散されず、足裏や膝・腰へ負担が出ることがあります。 | タコ、赤み、足裏痛の場所を見る。 |
| AFOの角度・高さ | つまずきは減っても、膝や腰の使い方が変わることがあります。 | 装具あり・なしで腰の張りを比べる。 |
| 靴の中での足のずれ | 足が前へ滑ると、指や腰まわりに余計な力が入りやすくなります。 | 踵が浮く、指が当たる、甲が締まりすぎるかを見る。 |
| 靴の重さ | 重すぎると脚を上げる負担が増え、腰や股関節で補うことがあります。 | 長く歩いた後の脚と腰の疲れを見る。 |
装具や足底板は、合っていれば歩行を助ける一方、状態が変わると再調整が必要になることがあります。
「装具を使っているから問題ない」と決めず、腰痛、足裏痛、タコ、靴ずれ、歩き方の変化があれば相談してください。
日常で整えたいこと
腰痛や拘縮が目立つ時は、痛み止めやストレッチだけで解決しようとするより、負担のかかり方を見直す方が続けやすくなります。 目的は「たくさん歩くこと」ではなく、翌日に強く残らない範囲で生活を保つことです。
歩く量をゼロにするのではなく、腰や足裏の痛みが翌日に残りにくい範囲を探します。
長時間の立位や片脚荷重を避け、早めに座る、休憩を入れる、荷物を軽くします。
足の外側への当たり、踵の浮き、足底板の圧、装具の当たりを確認します。
硬さを取ろうとして強く伸ばしすぎると、痛みや防御反応が増えることがあります。
足首、足底、ふくらはぎ、股関節の硬さが腰痛に関わっていることがあります。
その日は歩けても翌日に強く残るなら、歩行量や休憩の入れ方を見直します。
日常で見直しやすい項目
- 靴の中で足がずれていないか。
- 足の外側や指の付け根にタコが集中していないか。
- 装具や足底板が今の足の形・歩き方に合っているか。
- 歩行量が増えた翌日に腰や股関節が強く張らないか。
- ストレッチを痛みで押し込んでいないか。
- 長時間の立位、階段、坂、荷物運搬が重なっていないか。
- 腰痛がある日の前日に、いつもより多く歩いていないか。
日常で大事なのは、「腰を何とかする」だけでなく、腰へ負担が集まる流れを減らすことです。
ストレッチと運動で気をつけたいこと
CMTで腰痛や拘縮がある時、ストレッチや運動は役立つことがあります。 ただし、強く伸ばす、痛みを我慢して押し込む、疲労が強く残るまで行う、片側だけ過剰に使うと、かえって痛みやこわばりが増えることがあります。
| 目的 | 考え方 | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 足首の柔らかさを保つ | 痛みのない範囲で、短時間でも続けやすい形にする | 反動をつける、痛みを我慢して押す |
| 腰・股関節の張りを減らす | 歩行後や入浴後など、体が少し温まった時に軽く動かす | 腰だけを強く反らす、片側だけ無理に伸ばす |
| 疲労を残しにくくする | 翌日に残らない範囲を目安にする | 「鍛えれば戻る」と考えてやりすぎる |
| 転倒を減らす | 安全な場所で、支えを使いながら行う | 片脚立ちや不安定な姿勢を一人で無理に行う |
CMTでは、運動量や負荷のかけ方に注意が必要です。
痛みや疲労が翌日まで強く残る場合は、運動内容、回数、歩行量を主治医や理学療法士に相談してください。
受診・リハビリで伝えたいこと
腰痛や拘縮を相談する時は、「腰が痛い」だけでなく、歩き方、靴、装具、足裏の当たり、歩行量、翌日の疲れを一緒に伝えると、原因を整理しやすくなります。 整形外科、神経内科、リハビリ、義肢装具士へ相談する内容を分けると、話が進みやすくなります。
| 相談先 | 相談したい内容 | 伝え方の例 |
|---|---|---|
| 神経内科 | CMTの進行、左右差、感覚低下、筋力低下、痛みの性質 | 「足の感覚低下と腰痛があり、歩行量が落ちています」 |
| 整形外科 | 腰椎、股関節、膝、足部変形、急な痛みや外傷 | 「腰痛が強く、片脚だけしびれや痛みが増えました」 |
| 理学療法士 | 歩き方、代償、ストレッチ、歩行量、疲労の残り方 | 「つまずかないように脚を上げると腰が張ります」 |
| 義肢装具士 | AFO、足底板、靴の当たり、足裏の圧、装具の再調整 | 「装具後につまずきは減りましたが、腰の張りが増えました」 |
| 作業療法士 | 手指の硬さ、日常動作、道具、姿勢、仕事や学校での工夫 | 「手指の硬さでボタンやスマホ操作がしにくいです」 |
受診での一言例
「CMTで下垂足と凹足があります。最近、歩いた後に右腰が強く張り、翌日まで残ります。靴底は外側が減りやすく、足裏のタコも増えています。腰だけでなく、歩き方や装具の影響も含めて確認したいです。」
早めに相談したいサイン
次のような変化がある時は、単なる慢性の腰痛や硬さとして済ませず、医療機関やリハビリ、装具の専門家へ相談してください。
- 歩ける距離が急に短くなった。
- 腰痛のせいで外出、通勤、通学を避けるようになった。
- 装具や靴が急に合わなくなってきた。
- 片側だけ強い張りや痛みが続く。
- 足のタコ、靴ずれ、足裏痛、爪の圧迫が増えている。
- 背中の丸まりや側弯のような姿勢変化が目立つ。
- 安静にしていても強い痛みがある。
- 発熱、外傷、急な体重減少、夜間痛がある。
- 排尿・排便の変化、会陰部のしびれ、急な脚の脱力がある。
排尿・排便の異常、会陰部のしびれ、急な脚の脱力、強い外傷後の痛みは、CMTのいつもの症状として様子を見るのではなく、早めの医療相談が必要です。
痛みや拘縮が進むと、歩行だけでなく、装具の合い方や転倒リスクにも影響します。
そのまま使えるメモ
受診、リハビリ、装具相談の前に、下のメモをスマートフォンや紙に写して使えます。 すべて埋める必要はありません。今困っているところから書いてください。
3分で書く短いメモ
【CMT 腰痛・拘縮・歩き方メモ】 1. いま一番困っていること 腰痛・股関節の張り・足首の硬さ・足趾の硬さ・足裏痛・タコ・装具が合わない・つまずき・その他 ( ) 2. 痛みが出る場面 歩いた後・立ち続けた後・階段・坂・通勤/通学・外出後・座りっぱなし・朝・夕方・翌日・その他 ( ) 3. 痛みの場所 右腰・左腰・両側・股関節・膝・足首・足裏・ふくらはぎ・その他 ( ) 4. 足の状態 下垂足:あり・なし・不明 凹足/高アーチ:あり・なし・不明 ハンマートゥ:あり・なし・不明 足首のぐらつき:あり・なし・不明 感覚低下:あり・なし・不明 5. 靴・装具 AFO:使用あり・なし 足底板:使用あり・なし 靴で気になること: 踵が浮く・足の外側が当たる・つま先が当たる・タコが増えた・装具が入らない・その他 ( ) 6. 相談したいこと 腰痛・歩き方・ストレッチ・運動量・装具調整・靴選び・足底板・受診先・その他 ( )
1週間の記録表
【1週間の変化メモ】 日付: 歩いた時間・距離: ( ) 痛みが出た場所: 腰・股関節・膝・足首・足裏・ふくらはぎ・その他 ( ) 痛みの強さ: 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 痛みが出た場面: 歩行後・階段・坂・長時間立位・座位・外出後・翌日・その他 ( ) 硬さを感じた場所: 足首・足趾・ふくらはぎ・膝・股関節・手指・その他 ( ) 靴・装具で気になったこと: ( ) 翌日に残ったか: なし・少し残る・かなり残る・予定を減らした メモ: ( )
リハビリ・装具相談で伝える文章例
歩き方と腰痛について相談したいです。 CMTで、下垂足・凹足・足首の不安定さがあります。 最近、歩いた後に腰や股関節まわりが張り、翌日まで疲れが残ることがあります。 気になるのは以下です。 ・つま先が引っかかる ・脚を高く上げて歩いている気がする ・靴底の外側が減りやすい ・足裏のタコや痛みが増えた ・装具や足底板が合っているか不安 ・歩行後に右/左の腰が張る 腰だけでなく、歩き方、靴、足底板、AFO、足首や股関節の硬さを含めて確認したいです。
面談前チェック表
| 確認すること | 済 | メモ |
|---|---|---|
| 痛みが出る場面を書いた | □ | |
| 腰だけでなく足首・足裏・股関節の状態を書いた | □ | |
| 靴底の減り方やタコの場所を確認した | □ | |
| 装具・足底板を使っているか書いた | □ | |
| 歩行後や翌日の疲れを書いた | □ | |
| 急な悪化や受診が必要なサインがないか確認した | □ | |
| 必要なら短い歩行動画を撮った | □ |
あわせて読みたいページ
ここでは、CMTの腰痛・拘縮・歩き方の代償に絞って整理しました。 足の痛み、下垂足、凹足・ハンマートゥ、靴・装具、学校生活での移動については、次のページも参考になります。
よくある質問
CMTで腰痛はよくありますか?
あります。CMTでは、神経由来の痛みだけでなく、足部変形、下垂足、足首不安定、感覚低下、歩き方の代償によって、腰や股関節に負担が集まることがあります。 腰だけでなく、足の接地や靴・装具も一緒に見た方が整理しやすくなります。
腰痛があるなら、腰だけを治療すればよいですか?
腰だけでは足りないことがあります。 歩き方、足部変形、靴、足底板、AFO、歩行量、股関節や足首の硬さが関わっている場合、腰だけを見ても繰り返しやすくなります。
拘縮はストレッチだけで防げますか?
ストレッチは役立つことがありますが、それだけで十分とは限りません。 靴・装具・足底板の相性、歩行量、休憩、日常の姿勢、痛みの出方も合わせて考える必要があります。
痛みがある時は動かない方がよいですか?
一律ではありません。 無理に歩き続けるのも、全く動かさないのも偏りやすくなります。 翌日に強く残らない範囲、痛みが増えすぎない範囲を、主治医や理学療法士と相談してください。
AFOを使っているのに腰痛が出るのはおかしいですか?
おかしいとは限りません。 AFOでつまずきが減っても、膝や股関節、腰の使い方が変わることがあります。 装具の角度、靴、足底板、歩き方の変化を合わせて確認してください。
靴を変えただけで腰痛が変わることはありますか?
あります。 靴の重さ、踵の安定、足のずれ、足底板の有無、靴底の返り方で歩き方が変わり、腰や膝への負担が変わることがあります。 新しい靴で腰痛や足裏痛が増えた場合は、靴の相性も確認してください。
受診するなら神経内科と整形外科のどちらですか?
CMTそのものの経過、筋力低下、感覚低下、神経障害性の痛みは神経内科で相談しやすいです。 腰椎、股関節、膝、足部変形、急な痛み、外傷、姿勢変化は整形外科でも相談対象になります。 歩き方や装具の調整は、リハビリ職や義肢装具士も重要です。
参考文献・参考情報
- 難病情報センター:シャルコー・マリー・トゥース病(指定難病10). https://www.nanbyou.or.jp/entry/3773
- GeneReviews: Charcot-Marie-Tooth Hereditary Neuropathy Overview. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK1358/
- Nonnekes J, et al. Management of gait impairments in people with Charcot-Marie-Tooth disease: a treatment algorithm. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8814859/
- Ribiere C, et al. Pain assessment in Charcot-Marie-Tooth (CMT) disease. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22475878/
- Azevedo H, et al. Prevalence and characterization of pain in patients with Charcot-Marie-Tooth disease type 1A. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9394555/
- StatPearls: Charcot-Marie-Tooth Disease. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK562163/
- AAOS OrthoInfo: Charcot-Marie-Tooth Disease. https://orthoinfo.aaos.org/en/diseases–conditions/charcot-marie-tooth-disease/
- Charcot-Marie-Tooth Association: A Guide to Physical and Occupational Therapy for CMT. https://cmtausa.org/wp-content/uploads/2025/08/CMTA_PT_OT_Guide_9_2018_DT.pdf
- NHS: Charcot-Marie-Tooth disease – Treatment. https://www.nhs.uk/conditions/charcot-marie-tooth-disease/treatment/
- Maranho DA, et al. Acquired Pes Cavus in Charcot-Marie-Tooth Disease. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4816815/
参考情報は、CMTの足部変形、歩行障害、痛み、装具、リハビリの考え方を確認するために掲載しています。実際の対応は、本人の症状、歩行、痛み、皮膚状態、装具や靴の使用状況に合わせて、主治医、理学療法士、義肢装具士などに相談してください。
まとめ
CMTの腰痛や拘縮は、腰だけの問題ではなく、足部変形、下垂足、感覚低下、足首不安定、歩き方の代償が重なって見えることがあります。 そのため、腰だけを見て終わらせず、足の接地、靴底の減り方、装具、足底板、歩行量、翌日の疲れ方を一緒に見ることが大切です。
腰痛がある時は、神経由来の痛みなのか、歩き方や姿勢による痛みなのか、両方が混ざっているのかを分けます。 拘縮が目立つ時は、足首、足趾、ふくらはぎ、膝、股関節、手指まで、日常動作でどこが困っているかを確認します。
痛みや硬さが増えている場合は、我慢して歩き続けるより、靴・装具・歩行量・ストレッチの方法を見直し、必要に応じて医療機関やリハビリ、装具の専門家へ相談してください。
- 本ページは一般向けの情報であり、個別の診断や治療方針を示すものではありません。
- 急な悪化、安静時にも強い痛み、外傷、発熱、排尿・排便の変化、急な脚の脱力を伴う場合は早めに受診してください。
- CMTの腰痛や拘縮は、腰だけでなく、足部変形、歩行、靴、足底板、装具を含めて考える必要があります。
- 運動やストレッチ、装具調整は、本人の状態に合わせて主治医、理学療法士、義肢装具士などに相談してください。

