筋ジストロフィーの受診メモテンプレート|移動・疲労・呼吸・心臓・学校仕事を短く伝える記録

筋ジストロフィー 受診メモ 移動・疲労・呼吸 心臓・嚥下・学校仕事
筋ジストロフィーの受診メモテンプレ|移動・疲労・呼吸・心臓・嚥下・学校仕事の整理

筋ジストロフィーの受診では、筋力だけでなく、歩行、階段、立ち上がり、上肢、疲労、呼吸、睡眠、咳、心臓、嚥下、体重、学校・仕事、介護、福祉用具まで相談したいことが広がりやすくなります。 診察室で全部を思い出して話そうとすると、日常でいちばん困っている変化ほど抜けることがあります。 このページでは、受診前に「前回からの変化」と「今日いちばん相談したいこと」を短く整理するためのメモをまとめます。

最初に押さえること:
受診メモは、長い日記ではありません。 前回から何が変わったか、今日いちばん相談したいことは何か、本人・家族・学校/職場が困っていることは何かを、主治医に渡しやすい形で残すためのものです。 病型によって重視点が違うため、診断名・病型・遺伝子名・検査中かどうかも書きます。

結論:受診メモは「生活の変化」を同じ順番で書く

1. 移動・転倒

歩行距離、階段、立ち上がり、つまずき、転倒、装具、杖、車いす、家族の見守りを書きます。

2. 疲労・翌日の反動

午後に崩れる、通院後に寝込む、学校・仕事後に回復しない、運動後に翌日まで残る疲労を書きます。

3. 呼吸・睡眠・咳

息切れだけでなく、横になる苦しさ、朝の頭痛、日中の眠気、咳の弱さ、痰の出しにくさを書きます。

4. 心臓・嚥下・学校仕事

動悸、失神感、むせ、食事時間、体重変化、通学・通勤、体育、勤務時間、必要な配慮を短く書きます。

毎回同じ順番で書くと、前回との違いが見えやすくなります。
全部を完璧に埋める必要はありません。 受診時に最も役立つのは、前回からの変化、今いちばん困ること、家族や学校・職場が気づいたことです。

このページの役割

このページは、筋ジストロフィーの医学的説明を長く読むページではなく、受診前に使うメモの形を整えるページです。 病型ごとの詳しい経過、呼吸管理、リハビリ、制度、学校・仕事の共有は別ページで確認し、このページでは診察室で伝える情報を短くまとめます。

ページ 主な役割 このページとの違い
このページ 受診で伝える情報を、移動・疲労・呼吸・心臓・嚥下・学校仕事に分けて整理する。 診察前に使うメモのページです。
神経筋疾患のテンプレート集 受診メモ、家族会議、緊急時カード、学校・職場共有シートの入口。 テンプレート全体の入口です。
筋ジストロフィー・ミオパチーの評価と記録 歩行、立ち上がり、上肢、疲労などを比較できる形にする。 継続的な記録のページです。
筋ジストロフィー・ミオパチーの呼吸ケア 夜間低換気、咳の弱さ、排痰、NPPVなどを整理する。 呼吸の見逃しサインを詳しく確認するページです。
このページで目指すこと:
「診察で何を話せばいいか分からない」を減らし、本人・家族・医療者が同じ変化を見られるようにすることです。

5分で書く最短メモ

時間がない日は、下の5項目だけで構いません。 受診の最初に見せる、スマートフォンの画面で見せる、家族が読み上げるなど、使いやすい形で十分です。

5分メモ

今日いちばん相談したいこと
__________
前回から一番変わったこと
__________
移動・転倒
歩行:__ / 階段:__ / つまずき・転倒:__ / 用具:__
疲労・呼吸・睡眠
疲労:__ / 朝の頭痛:__ / 日中眠気:__ / 咳・痰:__
家族・学校・職場が気づいたこと
__________
迷ったらこの順番:
1)今日いちばん困ること、2)前回から変わったこと、3)呼吸・心臓・嚥下など安全に関わること、4)学校・仕事・家族の負担、の順で書くと整理しやすくなります。

受診メモでいちばん大事なこと

筋ジストロフィーは病型によって、呼吸、心臓、嚥下、疲労、関節拘縮、側弯、筋痛、学校・仕事への影響が違います。 そのため、受診メモでは「できる/できない」だけでなく、「できるが消耗する」「できるが危ない」「前より時間がかかる」「家族や学校・職場の支えが必要になった」を書きます。

弱い書き方 伝わりやすい書き方 伝わる内容
歩きにくい 屋外を10分歩くと休憩が必要。月に2回つまずいた。 歩行距離、転倒リスク、外出負担
疲れやすい 学校・仕事の後は夕食まで横になる。通院翌日まで疲労が残る。 活動後の反動、生活への影響
息がしづらい 横になると苦しく、枕が2個になった。朝の頭痛が週2回ある。 夜間低換気や睡眠時呼吸障害の相談材料
腕が上がらない 洗髪とドライヤーがつらい。高い棚の物を取れない。 上肢機能、生活動作、作業療法の相談
むせる 水分で週3回むせる。夕食に40分かかり、体重が1か月で1kg減った。 嚥下、栄養、食形態、体重管理
学校が大変 階段移動と体育後の疲労が強い。午後の授業で集中が落ちる。 学校配慮、移動・疲労対策
仕事がつらい 通勤後に疲労が強く、午後の会議で集中できない。時短を相談したい。 就労配慮、通勤負担、勤務調整
診察室で短時間できた動作だけでは、生活の負担は伝わりにくいです。
「できるが、翌日に疲労が残る」「できるが家族の見守りが必要」「できるが転倒が怖い」という情報は、医療・リハ・制度・学校/職場配慮の相談に役立ちます。

病型ごとに受診メモで強調したいこと

同じ筋ジストロフィーでも、DMD/BMD、DM1、FSHD、LGMD、EDMD、先天性筋疾患、代謝性ミオパチーでは、主治医に伝えたい変化が異なります。 診断名・病型・遺伝子名が分かる場合は、メモの最初に書いてください。

病型・状況 特に書きたいこと 理由
DMD/BMD 歩行、立ち上がり、階段、呼吸、咳、睡眠、心臓、側弯、ステロイド、骨折、学校生活。 呼吸・心臓・骨/整形・リハの管理が重要になりやすく、定期評価につなげるためです。
DM1 日中眠気、呼吸、むせ、心臓症状、白内障、消化器症状、筋強直、疲労、仕事への影響。 筋肉だけでなく、呼吸・心臓・嚥下・眠気・就労への影響を見落としにくくするためです。
FSHD 肩甲帯、顔面、足首、左右差、転倒、疼痛、疲労、歩行補助、重症例での呼吸。 左右差や肩・足の使いにくさが生活に出やすく、重症度によって呼吸評価も必要になるためです。
LGMD 立ち上がり、階段、肩・腰まわり、心臓、呼吸、家族歴、歩行補助、疲労。 原因遺伝子により心臓・呼吸の重要度が変わるため、病型確定前でも症状を整理します。
EDMD 肘・足首・首の拘縮、姿勢、心臓症状、失神感、動悸、家族歴、ペースメーカー/ICDの相談状況。 拘縮と心臓管理が重要になりやすく、心臓症状を軽く扱わないためです。
先天性ミオパチー・先天性筋ジストロフィー 呼吸、嚥下、姿勢、側弯、関節拘縮、成長、栄養、感染時の悪化、麻酔歴。 小児期からの経過や呼吸・嚥下・姿勢管理が生活に直結しやすいためです。
代謝性ミオパチー 運動後の筋痛、褐色尿、発熱・感染・絶食後の悪化、腎障害、低血糖、救急時の指示。 横紋筋融解や代謝危機を避けるため、悪化のきっかけを残す必要があります。
病型が未確定 発症年齢、家族歴、筋力低下の場所、CK、心臓・呼吸、遺伝学的検査、進行速度。 診断整理と遺伝相談、必要な検査の優先順位を考える材料になります。
病型が違えば、同じ症状でも意味が変わります。
呼吸、心臓、嚥下、疲労、転倒、学校・仕事への影響は、病型によって重要度が変わります。 診断名・遺伝子名・検査中かどうかを受診メモの最初に書いてください。

移動・転倒:歩けるかより「安全に続けられるか」を書く

移動は、歩けるかどうかだけでなく、転倒、階段、立ち上がり、外出後の疲労、車いすや装具の必要性を一緒に書きます。 「歩けます」だけでは、生活での危険や疲労が伝わりにくいことがあります。

移動で書く項目
  • 連続で何分歩けるか
  • 屋内と屋外で違いがあるか
  • 階段は手すりなし・手すりあり・不可のどれか
  • 椅子、床、トイレ、車からの立ち上がり
  • つまずき、転倒、ヒヤリハットの回数
  • 歩行器、杖、装具、車いすを使っているか
  • 通院・外出後に疲労が残るか
  • 家族が見守りや介助をする場面

移動メモ

連続歩行
屋内:__分 / 屋外:__分 / 前回より短い:はい・いいえ
階段
手すりなし可・手すりあり可・困難・不可 / きつい場面:____
立ち上がり
椅子:可・遅い・介助 / 床:可・困難・不可 / トイレ:可・困難・介助
転倒・ヒヤリ
転倒:__回/月 / つまずき:__回/週 / 場所:____
使っている用具
杖・歩行器・装具・車いす・電動車いす・手すり・その他:____
家族・支援者の観察
__________

継続して比較したい場合は、筋ジストロフィー・ミオパチーの評価と記録テンプレも確認してください。

疲労:翌日の反動まで書く

筋ジストロフィーでは、短時間ならできることでも、その後の疲労や翌日の反動が大きい場合があります。 疲労は、学校・仕事・外出・リハ・入浴・通院に影響します。

疲労の場面 書くこと 相談につながること
学校・仕事後 午後に崩れる、帰宅後に横になる、翌朝まで残る。 時間割、勤務時間、休憩、在宅勤務、通勤通学配慮。
通院後 移動で消耗する、翌日まで疲労が残る。 車いす、送迎、訪問診療、受診頻度の相談。
入浴後 息切れ、脱力、介助量増加、転倒不安。 シャワーチェア、訪問入浴、浴室改修、介助方法。
運動・リハ後 翌日に筋痛・疲労・動きにくさが残る。 負荷量、頻度、休息、過負荷回避。
会話・食事後 会話が減る、食後に横になる、集中が落ちる。 嚥下・呼吸・栄養・休憩の相談。

疲労メモ

疲れやすい時間帯
朝・昼・夕方・夜 / 具体的に:____
外出・通院後
回復まで:数時間・1日・2日以上 / 何をした後:____
学校・仕事後
帰宅後に横になる:あり・なし / 翌日に残る:あり・なし
運動・リハ後
筋痛:あり・なし / 疲労:なし・少し・強い / 翌日悪化:あり・なし
相談したいこと
休憩 / 運動量 / 学校配慮 / 勤務配慮 / 福祉用具 / その他:____
「頑張ればできる」は、医療者に伝えるときには不十分なことがあります。
できるかどうかに加えて、どのくらい疲れるか、翌日に残るか、安全に続けられるかを書いてください。

呼吸・睡眠・咳・痰:息切れだけで判断しない

筋ジストロフィーでは、病型や進行段階によって呼吸筋の弱さ、夜間低換気、咳の弱さ、排痰不全が問題になることがあります。 日中の息切れだけで判断せず、睡眠、朝の状態、咳、痰、風邪後の回復も受診メモに入れます。

呼吸で書く項目
  • 横になると苦しい、枕が増えた
  • 朝の頭痛、起床時のだるさ
  • 日中の眠気、集中低下
  • 夜間に何度も目が覚める
  • 咳が弱い、痰が出しにくい
  • 風邪の後に長引く、肺炎歴がある
  • NPPV、人工呼吸器、カフアシスト、吸引器の使用
  • 家族から見て寝ている時の呼吸が浅い

呼吸メモ

横になる苦しさ
なし・少し・強い / 枕の数:__個 / いつから:____
頭痛:なし・週__回 / 起きた時から疲れる:あり・なし
日中
眠気:なし・少し・強い / 集中低下:あり・なし
咳・痰
咳の弱さ:あり・なし / 痰が出しにくい:あり・なし / 風邪が長引く:あり・なし
機器
NPPV・人工呼吸器・カフアシスト・吸引器:あり・なし / 使用状況:____
家族の観察
__________
呼吸苦、痰詰まり、会話が続かない、眠気が急に強い場合は早めに医療へ相談してください。
通常受診のメモは役立ちますが、急な呼吸症状や痰詰まりがある場合は、次回受診を待たずに主治医・訪問看護・救急へ相談してください。

呼吸の見逃しサインは、筋ジストロフィー・ミオパチーの呼吸ケアも確認してください。

心臓・嚥下・体重:症状が軽くても一行で残す

筋ジストロフィーの一部では、心筋症、不整脈、伝導障害、嚥下障害が問題になることがあります。 自覚症状が少ない場合もあるため、動悸、失神感、胸部違和感、むせ、食事時間、体重変化は短く残します。

項目 書くこと 相談につながること
動悸 いつ、どのくらい、何をしている時に起こるか。 心電図、ホルター心電図、循環器相談。
失神・前失神 倒れた、目の前が暗くなる、ふらつく、立ちくらみ。 早めの循環器評価、救急判断。
胸部違和感・息切れ 胸の圧迫感、むくみ、動くと息切れ、横になる苦しさ。 心臓・呼吸の両方の確認。
むせ 水分、固形物、唾液、薬のどれでむせるか。 嚥下評価、食形態、とろみ、言語聴覚士への相談。
食事時間 食事に何分かかるか、前より伸びたか。 栄養、嚥下、疲労、体重低下の相談。
体重 現在体重、1か月前、3か月前の変化。 栄養相談、食事量、嚥下、活動量の確認。

心臓・嚥下メモ

心臓症状
動悸:あり・なし / 失神感:あり・なし / 胸部違和感:あり・なし / むくみ:あり・なし
検査
心電図:__年__月 / 心エコー:__年__月 / ホルター:__年__月 / 次回予定:____
嚥下
むせ:なし・週__回・毎日 / 食べにくい物:____ / 薬が飲みにくい:あり・なし
食事時間
朝:__分 / 昼:__分 / 夜:__分 / 前回より長い:はい・いいえ
体重
現在:__kg / 前回:__kg / 1か月前:__kg / 3か月前:__kg
失神、強い動悸、胸痛、急な息切れは早めに医療へ相談してください。
筋疾患では、心臓症状が重要なサインになることがあります。 迷う場合は通常受診を待たず、医療機関へ相談してください。

上肢・手・日常動作:生活の中で困る動きを書く

診察室では肩や手を一度動かせても、生活の中では洗髪、更衣、食事、スマートフォン、書字、荷物、家事で困ることがあります。 上肢の変化は、作業療法、補助具、学校・仕事の配慮、家族の介助量に関わります。

生活動作 書くこと 相談につながること
洗髪・整容 腕を上げる時間、休憩の必要性、家族の手伝い。 作業療法、入浴環境、道具配置、介助方法。
更衣 ボタン、ファスナー、靴下、上着、所要時間。 衣類の工夫、補助具、朝の準備時間の調整。
食事 箸・スプーン、食器の重さ、腕の疲労、むせ。 食器・補助具、嚥下、姿勢、栄養相談。
スマホ・PC・書字 入力の疲労、手指のこわばり、休憩、仕事・学習への影響。 入力補助、音声入力、作業環境、学校・職場配慮。
家事・荷物 洗濯、買い物、掃除、調理、荷物運搬で困る場面。 家事分担、福祉用具、ヘルパー、生活環境調整。

上肢・日常動作メモ

肩・腕
洗髪:__ / ドライヤー:__ / 高い棚:__ / 荷物:__
手指
箸:__ / 書字:__ / スマホ:__ / ボタン:__
家事
掃除:__ / 洗濯:__ / 調理:__ / 買い物:__
相談したいこと
作業療法 / 補助具 / 家族の介助 / 学校・職場配慮 / その他:____

学校・仕事:病名より「必要な配慮」を書く

学校や仕事の困りごとは、受診でも相談して構いません。 医師の意見書、診断書、学校・職場への共有、休憩、通学・通勤、体育、勤務時間、在宅勤務、福祉用具の導入につながることがあります。

場面 書くこと 必要になりやすい配慮
通学・通勤 移動時間、階段、満員電車、駅からの距離、送迎の必要性。 時間変更、送迎、オンライン、席の位置、移動距離の短縮。
学校 体育、階段、教室移動、給食、トイレ、荷物、欠席・遅刻。 体育調整、教室配置、休憩、荷物軽減、災害時対応。
仕事 勤務時間、通勤後の疲労、立ち仕事、重い物、会議、出張。 時短、在宅勤務、休憩、業務変更、通院配慮。
疲労 午後の崩れ、翌日の反動、休憩しても戻りにくい。 スケジュール調整、休憩、運動量調整、勤務・授業負担の調整。
緊急時 転倒時、呼吸苦、体調不良、災害時、連絡先。 緊急連絡カード、避難方法、支援者、学校・職場内の共有範囲。

学校・仕事メモ

通学・通勤
負担:なし・少し・強い / 移動手段:____ / 困る場面:____
学校・仕事で困ること
階段 / 体育 / 荷物 / 立ち仕事 / 会議 / 通院 / 欠席・早退 / その他:____
必要そうな配慮
休憩 / 時間調整 / 移動距離短縮 / 在宅 / 体育調整 / 荷物軽減 / その他:____
診断書・意見書
必要・不要・相談したい / 提出先:学校・職場・自治体・その他:____
本人・家族の希望
__________

共有用の文章を作る場合は、筋ジストロフィーの学校・職場共有シートも確認してください。

福祉用具・制度・書類相談も受診メモに入れる

受診では、検査や薬だけでなく、装具、車いす、手すり、シャワーチェア、学校・職場への意見書、身体障害者手帳、障害年金、指定難病医療費助成について相談したいことも書いて構いません。

相談したいこと メモに書く内容 つながる先
装具・靴・歩行補助具 つまずき、下垂足、転倒、疲労、外出距離、今の靴で困ること。 リハビリ、装具外来、義肢装具士、補装具費支給制度。
車いす・電動車いす 外出後の疲労、通学通勤、家族の介助、長距離移動の困難。 リハビリ、福祉用具、自治体窓口。
住宅環境 玄関、階段、浴室、トイレ、夜間動線、転倒しそうな場所。 住宅改修、福祉用具、介護保険、障害福祉。
学校・職場の書類 何の配慮が必要か、どこに提出するか、期限。 診断書、意見書、共有シート、産業医、学校担当者。
手帳・年金・医療費助成 生活や仕事への影響、初診日、検査結果、介助量、通院負担。 医療ソーシャルワーカー、自治体、年金事務所、社会保険労務士。
購入や工事の前に相談してください。
装具、車いす、手すり、住宅改修、福祉用具は、先に購入・工事をすると制度対象外になることがあります。 受診時に「何を考えているか」を早めに書いておくと、必要な窓口へつながりやすくなります。

筋ジストロフィー受診メモ:通常版

下の形をコピーして、必要なところだけ埋めて使えます。 空欄があっても問題ありません。

筋ジストロフィー受診メモ

記入日
__年__月__日
診断名・病型
診断名:____ / 遺伝子名:____ / 検査中・確定済・不明
次回受診
__年__月__日 / 医療機関:____ / 診療科:____
今日いちばん相談したいこと
__________
前回から一番変わったこと
__________
移動・転倒
歩行:__ / 階段:__ / 立ち上がり:__ / 転倒・つまずき:__ / 用具:__
上肢・日常動作
洗髪:__ / 更衣:__ / 食事:__ / 書字・スマホ:__ / 家事:__
疲労
午後:__ / 外出後:__ / 通院後:__ / 翌日の反動:__ / 回復時間:__
呼吸・睡眠
横になる苦しさ:__ / 朝の頭痛:__ / 日中眠気:__ / 咳・痰:__ / 機器:__
心臓
動悸:あり・なし / 失神感:あり・なし / 胸部違和感:あり・なし / 検査予定:__
嚥下・体重
むせ:__ / 食事時間:__分 / 体重:__kg / 前回比:__kg / 食形態:__
学校・仕事
通学通勤:__ / 体育・業務:__ / 休憩:__ / 必要な配慮:__
福祉用具・制度
装具:__ / 車いす:__ / 手すり:__ / 手帳・年金・医療費助成:__
家族・支援者が気づいたこと
__________
今回聞きたいこと
1. ____ / 2. ____ / 3. ____
次回までに確認すること
__________

筋ジストロフィー受診メモ:簡略版

体調が悪い日、時間がない日、受診直前に思い出した時は、簡略版だけでも使えます。

簡略版

今日いちばん困ること
__________
前回から変わったこと
移動:__ / 疲労:__ / 呼吸:__ / 心臓:__ / 嚥下:__ / 学校仕事:__
家族・学校・職場が気づいたこと
__________
今日聞きたいこと
__________
簡略版の使い方:
診察の最初に見せる、スマートフォン画面で見せる、家族が読み上げるなど、使いやすい形で構いません。 大切なのは「今日の中心」を最初に共有することです。

受診前日に確認するチェックリスト

持っていくもの・確認すること
  • 受診メモ
  • お薬手帳、薬の一覧
  • 体重の記録
  • 転倒・つまずき・疲労の記録
  • 呼吸機器、NPPV、カフアシスト、吸引器などの記録
  • 心電図、心エコー、ホルター心電図、呼吸機能検査、睡眠検査などの予定・結果
  • 学校・職場に提出したい診断書や意見書の相談内容
  • 指定難病受給者証、身体障害者手帳、自己負担上限額管理票
  • 訪問看護、ケアマネ、相談支援、学校・職場からのメモ
  • 次回までに必要な紹介状、指示書、診断書
受診メモで緊急症状を先送りしないでください。
呼吸が苦しくて会話が続かない、痰が詰まる、失神・強い動悸・胸痛がある、急に飲み込めない、転倒後に強い痛みがある場合は、次回受診を待たずに医療機関へ相談してください。

本人・家族・学校職場の欄を分ける理由

本人が感じている困りごと、家族が見ている変化、学校・職場で起きている問題は一致しないことがあります。 受診メモでは、誰が見た変化かを分けると伝わりやすくなります。

書くこと 注意点
本人の欄 本人が一番困ること、続けたい生活、嫌なこと、聞きたいこと。 短くて構いません。本人の言葉を残します。
家族の欄 転倒、疲労、食事時間、睡眠、介助量、通院後の反動。 本人を否定する形ではなく、観察事実として書きます。
学校・職場の欄 通学通勤、階段、体育、勤務時間、休憩、配慮が必要な場面。 医師の意見書や共有シート作成につながります。
医療者に聞く欄 検査、薬、リハ、呼吸、心臓、嚥下、福祉用具、制度。 質問は3つまでに絞ると、診察内で扱いやすくなります。
家族や学校・職場の観察も、医療相談の重要な情報です。
本人が慣れてしまっている変化や、診察室では見えない疲労・転倒・通学通勤の負担は、周囲の観察で初めて伝わることがあります。

よくある失敗と対策

失敗しやすいこと 起こる問題 対策
病名だけ書く 生活で何が困っているかが伝わらない。 前回から変わった動作、疲労、呼吸、学校仕事への影響を書きます。
歩けるかどうかだけを見る 転倒リスクや外出後の疲労が見落とされる。 歩行距離、階段、転倒、翌日の反動をセットで書きます。
疲労を「疲れる」だけで書く 生活への影響が伝わりにくい。 何をした後に、どれくらい回復に時間がかかるかを書きます。
呼吸を息切れだけで見る 睡眠、朝の頭痛、眠気、咳・痰の変化を見落とす。 呼吸は睡眠・咳・痰も一緒に書きます。
心臓・嚥下を軽く扱う 不整脈、伝導障害、誤嚥、栄養低下の相談が遅れることがある。 動悸、失神感、むせ、食事時間、体重変化を一行でも残します。
学校・仕事の話を受診で遠慮する 診断書・意見書・配慮相談につながりにくい。 通学通勤、体育、勤務時間、休憩、必要な配慮を書きます。
家族の観察を書かない 本人が気づきにくい変化が伝わらない。 本人欄と家族欄を分け、観察事実として書きます。

よくある質問

毎回すべて埋めないと意味がありませんか?

すべて埋める必要はありません。 「今日いちばん困ること」と「前回から変わったこと」だけでも、診察の入口として役立ちます。

家族が書いてもよいですか?

はい。 本人が書きにくいときは、家族が気づいたことを一行足すだけでも役立ちます。 その場合は、本人の言葉と家族の観察を分けて書くと伝わりやすくなります。

呼吸や疲労は軽くても書いた方がよいですか?

前回より変わった感じがあるなら、一言でも書いておく方が相談しやすくなります。 特に、横になる苦しさ、朝の頭痛、日中の眠気、咳の弱さ、翌日に残る疲労は、軽く見えなくても重要な情報になることがあります。

学校や仕事のことまで受診で書いてよいですか?

書いて構いません。 学校・仕事への影響が見えると、診断書、意見書、体育や勤務時間の調整、通勤通学の配慮、福祉用具の相談につながりやすくなります。

心臓や嚥下の症状がはっきりしない時も書くべきですか?

動悸、失神感、胸部違和感、むせ、食事時間の延長、体重減少がある場合は短く書いてください。 筋疾患では病型によって心臓や嚥下の確認が重要になることがあります。

スマートフォンのメモで見せてもよいですか?

問題ありません。 紙に印刷して渡す、スマートフォンで見せる、家族が読み上げるなど、使いやすい形で構いません。

参考文献・参考情報

免責事項

このページは、筋ジストロフィーの受診メモ、移動、疲労、呼吸、心臓、嚥下、学校・仕事、家族の観察を整理し、本人・家族が医療者へ情報共有しやすくするための一般情報です。 個別の診断、治療、薬剤、検査、呼吸管理、心臓管理、嚥下評価、リハビリ、学校・職場配慮、福祉用具、制度利用を判断するものではありません。

実際に記録すべき項目や受診時に相談すべき内容は、病型、原因遺伝子、年齢、症状、歩行状態、呼吸機能、心機能、嚥下機能、学校・職場環境、家族体制、主治医・専門職の方針によって変わります。

呼吸困難、痰詰まり、失神、強い動悸、胸痛、急な嚥下困難、転倒後の強い痛み、意識がぼんやりする、介護者の急病など安全に関わる状況では、受診メモの作成よりも医療機関・訪問看護・救急への相談を優先してください。